ダニアレルギーとは
 アレルゲンとしてのダニに対する意識
 アレルゲン対策
 治療への取り組み

ダニアレルギーとは

ダニは、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎など、さまざまなアレルギー性疾患の原因となっています。ここではアレルギー性鼻炎を題材に、ダニアレルギーについて記載します。
スギ花粉などをアレルゲンとするアレルギー性鼻炎は季節性ですが、ダニなどのハウスダストを原因とするアレルギー性鼻炎は、年間を通じて症状が現れます。主なアレルゲンと症状が発現する期間は図のようになっています。

アレルギー検査には、アレルゲンに対する血液中の抗体価(IgE)が測定されます。通年的な症状が存在する場合、検査項目として「ハウスダスト」や「ダニ」、「ネコ、イヌ」といったペット、「カビ」について検査されます。


※原因抗がスギのみ花粉症患者は除く 奥田稔ほか:日耳鼻 2002, 105,(12 ), 1181

あまり知られていませんが、実は検査項目の「ハウスダスト」はダニ、ペットのフケ、ゴキブリ・ガなどの昆虫、真菌などの混合物に対する抗体価を見ており、「ハウスダスト」が陽性である割合と「ダニ」が陽性である割合はほぼ同じです。

ここで、通年性アレルギー性鼻炎の原因となるダニについて詳しく記載します。
ダニの種類はヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニで、世界的に共通しています。

これらのダニの死骸や糞に含まれるタンパク質がアレルギーの原因となり、大部分のダニアレルギーの患者さんは、これらのアレルゲンに感作されています(血液中にダニに対するIgEが存在する状態)。これらのダニは、室内でヒトの皮膚片(垢、フケなど)やカビ類などを餌として繁殖します。しかし、しばしばニュースで取り上げられるマダニとは違って、これらのダニは吸血することはありません。

アレルゲンとしてのダニに対する意識

ダニアレルギーの発症や症状を抑えるには、ダニの死骸や糞などを吸い込むなどの、ダニへの曝露をできるだけ避けることが望まれます。ハウスダスト1gあたりのダニ抗原が2μg以上では、アレルギー性鼻炎の発症リスクの増加、ダニ抗原が10μg以上では、喘息発症の危険因子になるとの報告もあります。
Celedón JC et al. J Allergy Clin Immunol 2007;120:144-9.

しかしながら、「アレルギー性鼻炎をもつ患者の意識と行動に関するアンケート調査」では、通年性アレルギー性鼻炎患者では、季節性アレルギー性鼻炎患者に比べて、アレルゲンに対する対策に対する意識が低く、「予防グッズ」に対する意識も低いことがわかりました。

「予防グッズはどこで手に入るかわからない」は、通年性患者では28.9%、季節性患者では16.7%、「予防は効果があるかわからないので、お金をかけてまではやらない」は39.1%、28.6%と両者の間に予防に対する学習態度の違いが示された。

アレルゲン対策

通年性アレルギー性鼻炎患者では、季節性患者に比べてアレルゲン対策への意識が低いことがわかりましたが、アレルゲン対策について説明を受けると、対策への意向が高まることがわかりました。
「防ダニ寝具カバー」の利用意向は、防ダニ寝具カバーの説明文を読んでいない患者の利用意向が36.2%だったのに対して、説明文を読んだ患者では60.3%利用意向となりました。ダニを防御することの有効性について意識が低い患者が多い一方で、知った場合には利用したいという意向も高いことがわかりました。

「防ダニ寝具カバー」とは、
アレルギーの原因物質であるダニの死骸・フンをお布団やマットの中に閉じ込めることで、肌との接触を防ぐものです。

  • 「ベッドのマット、布団、枕にダニを通さないカバーをかける」ことは、アレルギーの原因物質との接触を防ぐ方法の一つとして、「鼻アレルギー診断ガイドライン」でも紹介されています。
  • 「防ダニ寝具カバー」には、防ダニ剤を使わず、カバーの生地を工夫することで(極細繊維を緻密に織り上げることで、ダニの死骸・フンをお布団に閉じ込める)、長く安心してお使いいただけるものもあります。
  • 極細繊維であるポリエステルを使用しているものは、コットンの寝具カバーと比べて、ハウスダストの発生も抑えることができます。
  • ダニの発生自体を抑えるものではないため、マッチ、布団、枕は定期的なケア(掃除機をかける、干す、クリーニングに出す)は必要です。

また、「空気清浄機」の利用意向は、もともと50.9%と低くはないのですが、説明文を読んだ患者では60.3%と、6割を超える利用意向を示しました。

「空気清浄機」は、
空気中に浮遊する、アレルギーの原因物質であるダニの死骸・フンを含む、ハウスダストを除去する家電製品です。

  • 目の細かいフィルターで、肉眼では見えない、小さなハウスダストまで除去することができます。
  • フィルターでハウスダストを除去し、きれいな空気を排出します。
    8畳のお部屋であれば、約10分できれいにすることができます。
  • ハウスダストだけでなく、花粉やウィルスについても除去することができます。
  • 空気清浄機から飛び出すイオンだけでなく、空気清浄機内部でアレルゲンを分解する技術を搭載しているものがあります。
    *アレルゲン…花粉・ダニ・ハウスダストなど
  • 加湿機能が付いている商品もあり、乾燥(アレルギー症状を悪化させることもある)を防ぐことができます。
  • また、加湿だけでなく除湿も付いている商品もあり、全自動で湿度のコントロールができます。
  • ダニの発生自体を抑えるものではありません。

◆室内のダニ対策
室内もさまざまなダニ対策を行うことで、アレルゲン回避を行うことができます。
掃除への意識は高いですが、ほかにダニがたまりやすいカーペットなどの対策も有効です。

治療への取り組み

通年性アレルギー性鼻炎患者は、重症度が中等症以上が約5割いて、6割以上ができれば完全に治したいと考えている

  • 通年性患者で、中等症*以上が49.1%で、季節性(46.1%)よりやや多い
  • 10代の中等症以上が6割を超え、若年層で症状が重い傾向

 

  • 通年性患者は、「症状が重いと感じていない」が51.8%、「仕事や勉強、日常生活への影響が大きいと感じていない」が50.0%、また、「慣れて普段は気にしてない」が54.3%
  • しかし66.5%が「できれば完全に治したい」と考えている

しかし、対策グッズや治療について、8割以上が医師から説明を受けていない。

  • 医師から「舌下免疫療法」の説明、「防ダニ寝具」や「対策グッズ」をすすめられた人の割合は低い

「舌下免疫療法」について医師から説明を受けたことのない人の実施意向は23.7%にとどまったが、説明を受けた患者では約5割が実施意向を示しました。

  • 「舌下免疫療法」について医師から説明を受けた通年性患者の実施意向は48.8%で、受けたことのない人の実施意向(23.7%)の2倍以上。