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7 アレルギーっ子の防災★★★第13回 2014.10.22「クロスロード活用事例」防災士 中根 輝彦/メールマガジン95号

 メルマガをお読みの皆さん、こんにちは。防災士の中根輝彦です。
今回も災害復旧支援・防災におけるアレルギー支援の取り組み事例について紹介いたします。

 前回は、「自治体のガイドラインやマニュアルへの要望申し入れの事例」について紹介しました。今回は、「クロスロード活用事例」について紹介します。

 第11回の原稿で「防災啓発ツールへの反映」と題して、いろいろなツールを紹介しました。災害時のアレルギー支援が必要なことをツールに織り込み、アレルギー関係者以外にも広めようという試みを提案しました。今回はクロスロードに絞ってもう少し詳しく紹介し、アレルギー支援の啓発ツールとしての可能性について掘り下げてみたいと思います。

クロスロードの詳細については、
http://www.s-coop.net/rune/bousai/crossroad.html
にて紹介されています。

 クロスロードは、阪神淡路大震災の経験を元に作られた、難しい決断に迫られる災害対応を疑似体験するゲームです。「こちらを立てればあちらが立たず。でも、どちらかを選ばなければならない。相談できる人はいない。自分で決めなければならない。ゆっくり考えている余裕はない。さて、Yes/Noどっち?それでみんな納得できる?」というモヤモヤ体験をさせられます。

 このような悩ましいジレンマは、日常生活のいたるところで見受けられますよね。
ジレンマ解決はいつでもどこにでもある課題です。このゲームも防災啓発から始まって、各種テーマへ広がって「○○編」というのがいくつも開発されています。

 神戸クロスロード研究会が主催する「千人クロスロード2014」のプレイベントとして、9月28日にクロスロード体験会が開催されました。

ここで紹介されたクロスロードの現状についての説明によると、神戸編、一般編、市民編、海上保安庁編、高知編、災害時要援護者編、学校安全編、感染症編・新型インフルエンザ編、食品安全編、子育て編、生活保護ケースワーカー編、まちづくり職員編、環境編など、インターネットの情報では、災害ボランティア編、土砂災害編、みちのく版、薬学教育編、部活動編、披露宴版など、ほかにもまだあるようです。

 ゲームはシンプルが故に応用が利くし、誰もが取り組める。
それでいて悩ましい状況の想像と共有、Yes/Noの決断、理由づけ、優先順位づけ、グループメンバーの意見の理解・推測、多数決によらない合意、希少意見の尊重、など多様な体験や気づきが得られる。シンプルだけど奥深い体験ができるのがこのゲームの魅力だと思います。

 さて、このゲームをアレルギー支援のツールとしてどのように活用するか?ここからが本題です。

 前述のように、このゲームはジレンマ解決をどうやるかがテーマですから、アレルギー支援の場でどのような状況が起こりうるか、解決が困難なジレンマとしてどんな問題があるか、アレルギーの当事者だからこそ気づく悩ましいジレンマ、そういった事例を集めて、クロスロード「アレルギー編」を作り、一般の方々と一緒に考える機会を持てたら…。

 ということで、アレルギー関係者の経験を集めて、クロスロード「アレルギー編」を作りませんか?というのが、今回の提言であります。

 いきなりゲームを作るのは敷居が高いということなら、まずは、クロスロード体験をしてみませんか?12月23日に神戸・高知・仙台ほかの会場をつないで「千人クロスロード2014」が開催されます。防災にかかわる多くの方々が集い、防災への備えを考えるイベントです。

 この原稿は、アレルギーっ子の防災がテーマですから、アレルギーっ子向けの日頃の防災の備え、被災時の行動、避難生活の困りごと、支援者とのやり取りの中で生じるトラブル例などが集まることを期待したいと思います。これらが防災活動の一環としてクロスロードに取り組む人たちに活用され、アレルギー支援の必要性が一般の方々に理解されるのに役立つツールとなることを望みます。

 なお、クロスロード○○編の登録にあたっては、クロスロード新聞第33号(2012.5.5発行)に記載されているように、チームクロスロードと覚書を締結する必要があります。クロスロードは登録商標です。

千人クロスロード
http://crossroad2014.jimdo.com/

クロスロード新聞第33号
http://maechan.net/crossroad/document/shinbun36.pdf

 今回は、「クロスロード活用事例」について紹介しました。
 次回は「アレルギー対応の防災訓練事例」について紹介します。

防災士 中根輝彦

日々つぶやいています。
@TeruhikoNakane

内容は筆者個人の考え方に基づくものです。アレルギー支援ネットワークを代表するもの、方針を反映したものではありません。

ご意見ご感想をいただけると嬉しいです。次の原稿を書く励みになります。アレルギー支援ネットワークの事務局まで、お寄せ下さい。
宛先:info@alle-net.com