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3、リレートーク「栄養士からのメッセージ」 第4回 管理栄養士 奥村裕紀子/メールマガジン127号

 私は、小児科クリニックで0歳児から中学生までのお子様を対象に栄養指導を行っております。
指導の内容は、食物アレルギー、離乳食、体重増加不良、便秘、肥満、貧血、と様々なものですが、もっとも多いものは、やはり、食物アレルギーについての指導になります。 対象は、クリニックレベルで対処できる軽度の方々が中心です。
除去指導から始まり、摂食エピソードや症状出現の聞き取り、主に自宅での実施を中心とした経口負荷試験の進め方、そして解除までの長い道のりを、患児とご家族に寄り添っていく。
自分の知識を相手に伝えるだけでなく、人間関係を構築していき、その上での指導をモットーにしています。

「我が子が食物アレルギーだなんて。」
はじめて診断を下されたご家族は、ショックを隠しきれません。たいていのご家族はその時点で、この子は一生このアレルゲンとそれを含むものを食べられない、そして他にも食べられない食品があるかも?家族は、患児は、どうすればいいの?妊娠時の母親の食生活が悪かったの?
と、一瞬で様々なことを思い浮かべます。そんなご家族に、初めは除去指導を行いながら、お母さんの気持ちに共感します。そして、私たちと一緒に頑張っていきましょうと手を取り合います。
患児に対して、ご家族は今、何をすればいいのか、そして、この先どうしていくのか、どうしていきたいか、話し合いをします。 ただ、「除去をしましょう」というだけでは、ご家族を不安のまま帰してしまう事になります。

アレルゲンを少しでも、食べて、治す。 閾値を知ることの大切さ。
アレルゲンを除いても、出来るだけバランスのとれる食生活のご紹介。
少しでも希望の光が見えると、人は頑張れます。
ご家族、多くは料理を作るお母さんが諦めてしまうと、患児の解除への道は閉ざされます。
まずは、それをなくしたいのです。

指導をしていて嬉しいこと。
食事を作り、食べさせているお母さん(最近はおばあちゃんも増加)が頑張っていること。そしてそれに応えている患児です。
食物アレルギーでしたら、徐々に食べられる物、量が増えていくこと。もちろん、解除になったら、飛び上がるほど嬉しくなります。そして、ご家族皆さんの努力を讃えます。
食生活改善(体重増加不良、便秘、肥満、貧血など)でしたら、指導通りに食環境を整えていただき、成果が得られた時。
逆に、もっと頑張らなくては、と思うのは、初回以降の来院がなくなる場合です。
頑張ろう!という気持ちにさせることが出来なかった反省点を考えます。

どんな症例にも、どんなタイプの患児、ご家族にも、納得いただける指導が出来るように、これからも頑張っていきたいと思っています。