4月からの入園・入学を控え、ご心配やご不安が募る方もいらっしゃることでしょう。
食物アレルギーやアトピー性皮膚炎、ぜん息などのアレルギー疾患がある場合は、園や学校にお子さんの病状を伝え、その対応を話し合うことが大切です。しかしながら園や学校は、4月になって担任や学年主任など新しい体制が整うまで具体的な話し合いを控える場合が多いようです。そこで、3月までには、自分のお子さんの病状や園や学校に対してお願いしたいこと、相談の内容などをきちんと書面にまとめておきましょう。そのためには、アレルギー専門医にかかり、お子さんの病状を正確に把握し、園や学校での対応を主治医に相談しておくことが必要です。食物アレルギーの場合は特に、給食をどの程度いただくことができるのか、経口負荷テストで確認をしておくとよいでしょう。
入学式に担任の発表があったら、できるだけその日のうちに担任に電話をして、話し合いの時間をとっていただくように、新学期で先生方は大変お忙しいですので、丁重にお願いします。できれば、園・校長先生か教頭先生、養護教諭、給食担当教諭、担任に同席をいただき、準備しておいた書面をお渡しして話し合いをすすめます。園や学校は集団生活の場ですので、無理なお願いをすることが無いよう、どのようにしたらアレルギー疾患を持つお子さんが集団生活の中で心地よく過ごすことができるか相談にのっていただくという姿勢で臨みます。新しい生活が始まってみないとわからない部分があると思いますので、その都度、担任と連絡をとりあって問題を解決していきましょう。園や学校に配慮をお願いすることも多くなりますので、機会があるごとに感謝の気持ちを伝え、保護者に対して協力を求めるような場面や行事があれば、積極的にお手伝いをすることでよりよい関係が保てる場合もあります。
また、親と園や学校だけで対応を決めてしまうのではなく、お子さん自身がどのようにしたいのか、お子さんの気持ちも十分くみとり、お子さんとよく相談をすることも大切だと思います。家庭の中だけで生活をしていたお子さんが集団の中で心地よく生活することができるようサポートできるといいですね。
アレルギー支援ネットワークが、今春に出版する、アレルギー大学の新テキストでもあります「アレルギーの基礎と対応」(仮)には、「保育園・幼稚園・学校でのアレルギー対応」の章で、給食対応、保護者との情報交換、園・学校行事における配慮、などについて掲載をしていますので、是非参考にしてください。