メルマガをお読みの皆さん、こんにちは。防災士の中根輝彦です。
災害復旧支援・防災におけるアレルギー支援の取り組み事例について、一つ一つ紹介するシリーズ、第2回目です。
前回は、町内会などの地域団体が、相互支援として救援物資(アレルギー対応備蓄食)搬送訓練をしている事例について紹介しました。
今回は、救援物資(アレルギー対応菓子)の提供(訓練や備えではなく実際の支援活動)についてのお話です。
まずは、アレルギー対応菓子「ぱりまる」の紹介から。
「ぱりまる」は、アレルギー対応の焼き菓子(せんべい)です。食物アレルギーの特定原材料7品目(卵・乳・小麦・えび・かに・そば・落花生)を使用していませんので、食物アレルギーの子どもたちも安心して食べられます。
愛知県高浜市にある授産施設「高浜安立(あんりゅう)」と愛知文教女子短期大学が、「株式会社おとうふ工房いしかわ」、高浜市と共同で開発し、「高浜安立(あんりゅう)」で製造されています。「プレーン」のほかに「黒糖」「カレー」など味のバリエーションもあり、飽きずに食べられます。
1月19日、アレルギー支援ネットワークさんの紹介で愛知県高浜市にある授産施設「高浜安立(あんりゅう)」を訪問し、「ぱりまるクッキング教室」のイベント取材をしました。アレルギーっ子とお父さんお母さんが親子で楽しむイベントで、「ぱりまる」を使ってクリームコロッケやパフェを作って楽しむ試食と、「ぱりまる」を製造している工場で、焼き工程と袋詰め工程の体験をし、オリジナルラベルの袋に入った「マイぱりまる」をお土産に持ち帰るというものです。ここでいただいたリーフレットに気になる記事が…。
さて、ここからが本題です。
リーフレットには、「東日本大震災の被災地に送られ、アレルギーっ子に喜んでもらえた」との記事が載っていました。今回ご紹介する「とどけ!ぱりまるプロジェクト」を知るきっかけとなりました。
「とどけ!ぱりまるプロジェクト」は、愛知文教女子短期大学(稲沢市)の学生さんたちの「サークル とどけ!ぱりまる」が取り組む支援活動です。平成23年度から継続されており、募金活動で得た資金で、「高浜安立」から「ぱりまる」を購入し、被災地に届けています。一般向けアレルギー啓発、アレルギーっ子支援、障害者支援に役立っています。
アレルギー支援ネットワークさんの協力により、岩手県大船渡市の子育てサポーター「スマイル」、立根保育園、越喜来保育園・幼稚園などに届けられているようです。このメルマガの過去の記事でも東日本大震災支援報告として紹介されているかもしれませんね。愛知文教女子短期大学の「とどけ!ぱりまるプロジェクト」紹介サイトでは、活動の詳細が報告されており、プロジェクトに関わっている多くの皆さんの笑顔の写真が掲載されています。
このメルマガで防災の話題を担当し始めた最初に「自助・共助・公助」のお話をしました。この観点でこのプロジェクトを見てみると、いろいろな組織・立場の人たちが係わっていて、うまくwin-winの関係を作っていることがわかります。産官学民。企業、自治体、学校法人、社会福祉法人、NPO法人、ボランティア団体、一般市民。アレルギー支援、被災者支援、障害者支援。
あなたが所属するアレルギーの(親の)会・患者会では、どんな活動をされていますか?今回ご紹介したようなwin-winの関係を構築できていますか?うまく周りを巻き込んでいますか?
いよいよ新年度。これまでできなかった取組みを始めるチャンスです。新たなつながりを作りませんか?支えあいの輪を広げませんか?アレルギー支援の活動が一歩でも前に進むよう、新年度もお互いがんばりましょう。
今回ご紹介した内容についての詳しい情報が以下のホームページで紹介されています。こちらもぜひ訪問して下さい。
ぱりまる:
http://www.syoutokukai.or.jp/jusan/parimaru1.htm
高浜安立:
http://www.syoutokukai.or.jp/jusan/
どどけ!ぱりまるプロジェクト:
http://www.ai-bunkyo.ac.jp/banner02/
今回は、「救援物資(アレルギー対応菓子)の提供」の事例を紹介しました。
次回は、アレルギー患者団体の共助の仕組みづくりについて紹介します。
防災士 中根輝彦
日々つぶやいています。
@TeruhikoNakane
内容は筆者個人の考え方に基づくものです。アレルギー支援ネットワークを代表するもの、方針を反映したものではありません。
ご意見ご感想をいただけると嬉しいです。次の原稿を書く励みになります。アレルギー支援ネットワークの事務局まで、お寄せ下さい。
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