皆様はじめまして。あいち小児で研修を始めて2年目になった杉浦です。この文章が配信される頃は鯉のぼりが最盛期でしょうか。今回は(といってもリレートークですので次回はありませんが)アレルギーっぽくない話を書こうと思います。
「春」は何となくふわふわした感じがする季節です。Count Basie楽団April in Parisのややけだるいテーマが春のイメージにぴったりです。しかし以前、中学生くらい迄でしょうか、私にとって春といえば「となりのトトロ」のイメージでした。自然界で生命が輝きだす季節です。
私は愛知県豊橋市で高校生までの期間を過ごしました。幼少時は春になるとつくしを取り、虫取り網を持ち出して日が暮れるまで野原や川や、自然の中で遊んでいた記憶があります。現在その野原は住宅地になり、魚やザリガニを取った川も埋め立てられてしまいました。今思うととても贅沢な時間だったと思います。
小学1年生の頃にファミリーコンピューターを買ってもらい、時々ゲームをするようになりました。それでも自然界の魅力は圧倒的でしたが、その後のドラゴンクエストなどロールプレイングゲームの登場により私の興味のかなりの部分は人工的な世界に奪われてしまったように思います。
そして成長と共に再び人体という自然界に魅せられ医師となり、現在あいち小児保健医療総合センターと故郷の豊橋市民病院で診療をしています(豊橋市民病院では週に1日、経口負荷試験とアレルギー外来を担当しています)。アレルギーはもちろんですが「人」の考え方、行動、その先にある社会にも非常に興味があります。アレルギーに関することを含め、基本的な医学知識は社会全体で共有できると良いのではないかと考えています。
今年、皆様の春はどのような春だったでしょうか。浮き足立つ雰囲気の中にも新しい発見があり、良い新鮮さを感じる季節であったらと思います。