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11、アレルギーっ子の防災第26回「防災講座−6:地震を知る(震度と被害)」 防災士 中根輝彦/メールマガジン108号

  メルマガをお読みの皆さん、こんにちは。防災士の中根輝彦です。

 今回は震度と被害との関係についてのお話です。

 震度は、震度計で計測された数値をもとに決まります。揺れの大きさを震度階級0から7まで(0,1,2,3,4,5弱,5強,6弱,6強,7)10段階に区分しています。各地で発生している地震の最大震度○○という話を聞くと、だいたいこれくらいの「揺れ」かなという想像ができます。でも被害の大きさはわかりません。

 以前は、建物の壊れ具合など被害の状況をもとに震度階級を決めていましたが、この方法では決めるのが困難になってきました。同じ地域で同じ程度の揺れだったのに、倒壊する住宅と壊れずに残る住宅が混在するようになってきたからです。建築基準が強化されたので、新築される住震の地震強度は上がりましたが、古い建築基準で建てられた(しかも築○○年と古い)住宅は、地震強度は上がるわけではありませんから、ごく当たり前の話です。建物の強度だけでなくいろいろな対策が進むことで、被害の大きさはますます差が生じるようになってきています。

 前述した「震度○ならこれくらいの揺れ」というのは想像できても、「震度○ならこれくらいの被害」というのは想像するのが難しくなってきています。では、震度と被害の大きさを紐づけるにはどうすればよいでしょうか?やはり目安がないと雲をつかむようで、対策をしようにも具体化できないかもしれませんね。

 震度と被害の関係は、たくさんの実例を調べて全体像を推測するような地道な活動をしていくしかありません。このような活動は専門家の研究活動として現地調査や大規模起震装置での実験によるところが大きいです。建築基準の改定も過去の事例調査から始まっています。今後も繰り返しPDCAが実施され、全体像としての対策とその効果の検証がなされていくと思います。

 対策の目標はどうすればよいでしょうか?たとえば、「費やす時間や費用に限りがあるから、我が家は震度5弱まででいいや」ということになるでしょうか?「まずは震度5弱をクリアできる対策を。対策が完了したら次は震度6強クリアを」という感じでしょうか。その先はどうしましょう?前回の原稿で、「費やす資金と時間がゆるすかぎりの備えをしたい」としましたが、理想論ばかりでは対策が進みません。もう少し具体的に、納得できそうな、実施できそうな対策を考えられるようにする必要があります。次回は、被害想定と目標設定について考えてみたいと思います。


防災士 中根輝彦

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