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9、アレルギーっ子の防災 第29回「防災講座−9:地震対策を知る(自宅の耐震−1)」防災士 中根輝彦/メールマガジン111号

 メルマガをお読みの皆さん、こんにちは。防災士の中根輝彦です。

 今回から、この防災講座も「地震を知る」シリーズから「地震対策を知る」シリーズへと変わります。まずは「命を守る、けがをしない」ための対策を数回にわたってお話します。

 先回は、地震が発生するとどんな被害が出るのかいろいろと書き連ねました。その中でも最大の被害と言えば、なんといっても人命。突然に人生が終わってしまう無念さ、取り返せない悔しさ…。何としても防ぎたい。

 対策はいろいろと考えられますが、最優先としたいのは自宅の耐震補強です。1日24時間のうち、滞在時間が最も長く、時間比率的にも自宅で地震に襲われる確率が高いと言えます。また、睡眠中は1日の約3分の1を占め、とっさに避難行動に移れないもっとも無防備な時間帯となります。

 また、個人資産は他人が手を付けられるはずもなく、所有者自身が対策するよりありません。マンション・アパート・公営住宅などは、契約等により自分の自由裁量で対策をすることができない場合でも、オーナーや自治組合などに働きかけて改善要望を打ち上げるなど、決して他人任せにせず、自分が納得できるかどうかを自分で判断し、その結果に責任を持つという心構えで臨みましょう。納得できない場合は転居も視野に入れましょう。

 東北地方は何度も大きな津波に襲われました。その都度、内陸へ、高台へと移住して、東日本大震災の津波からは逃れられたという方もいます。

1)住む地域を選ぶ

 懸念される災害と被害予想、過去の災害について調べ、許す限りリスクの少ないところで暮らしましょう。新居を構える、転居する機会のある方は、利便性や経済性だけでなく、安全性も評価条件に入れましょう。

2)住む土地を強化する

 分譲住宅地として開発されたところは、造成前の状況がよくわからない場合もあります。購入契約をする前によく調べた方がよいでしょう。昔は池や沼、田んぼだったというようなところは液状化や地盤沈下の被害が発生するかもしれません。図書館で地域の歴史や地形に関する書物・資料を調べるとわかる場合もあります。業者に尋ねても都合の悪いことは答えてくれないでしょう。東日本大震災では千葉県の分譲地が被災し、購入して数年というのに、損害の負担を強いられたところもあります。

 基礎杭を打ち込んだり地盤改良剤を利用したりする対策が考えられます。いずれも専門的な内容となり、費用も相当かかりますので、建築業者とよく相談しましょう。

 田んぼを埋め立てた宅地に基礎杭を打ち込む工事を自ら業者に依頼し、提案された見積もり内容に対して、さらに強化するよう逆提案したマイホームオーナーもいます。

数十年に一度、一生に一度くらいしかできない対策です。費用も考えあわせて後悔しない対策をしましょう。

次回も引き続き、自宅の耐震強化対策について考えます。

防災士 中根輝彦

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