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2、リレートーク「クリニックの紹介」 第8回 まつだ小児科クリニック 松田正院長/メールマガジン118号

 三重県桑名市で小児科クリニックを平成5年12月に開業し、もう20年以上が過ぎました。昭和53年に三重大学を卒業、大学では主に、血液・悪性腫瘍を中心に勉強させていただき、大学院卒業後に松阪市民病院、天理よろづ相談所病院に勤務、桑名では、ヨナハ産婦人科病院にて、主に未熟児・新生児と一般診療に従事した後に「まつだ小児科クリニック」を開業しました。

クリニックのご紹介をさせていただきます。当院では小児科・アレルギー科を掲げていますが、僕は小児科専門医ではありますが、アレルギー専門医ではありません。従って、診療内容は地域医療を念頭におき、困っているお母さんに安心を与え、納得のいく医療と説明をスタッフ共々心がけ、提供できるようにしています。診療内容は多枝にわたっています。乳幼児健診、予防接種、一般診療では、感染症などの一般診療がほぼ中心ですが、アレルギー疾患、低身長などの内分泌疾患、けいれん児に対する脳波検査なども行っています。
しかし、一般診療の中でも、気管支喘息、食物アレルギーなどのアレルギー疾患の患者さんは多く、気管支喘息は、LTRAやICSによってコントロールすることが比較的可能になりましたが、食物アレルギーに関しては、特異的IgE抗体によるプロバビリテイーカーブから原因と考えられる食物を除去するだけでは、どこまで食べられるのか、除去を続けるべきか判断が難しく、必要のない除去を続けているのではないかという疑問と反省がありました。そこで、アレルギー疾患の診療に関して、2013年11月から2014年1月まで、現在の国立病院機構三重病院院長である藤澤隆夫先生にお願いし、週1回病棟と外来を見学させていただきました。病棟では、実地に食物負荷試験を見学させていただくことで、負荷試験の方法と誘発症状が出たときの対応の実際を勉強させていただきました。また、外来では、気管支喘息、アトピー性皮膚炎の患者指導及び、食物アレルギー児に対する食事指導などアレルギー一般の外来診療を学ばせていただきました。この様な時に、名古屋国際会議場で開催された第31回小児難治喘息アレルギー学会に参加すると、あいち小児保健医療総合センターアレルギー科が作成し、アレルギー支援ネットワークが発行している「おいしく治す食物アレルギー攻略法」という攻略本を頂けるというお話を聞き、小児難治アレルギー学会に参加、その先進的な内容に少なからずカルチャーショックを受け、アレルギー支援ネットワークが主催するブースで栄養士派遣事業の存在を知り迷わず派遣をお願いした次第です。食物負荷試験後の食事指導は、解除あるいは除去を続ける上においては必須のものであり、食事指導なくしては負荷試験もありえないので、非常に心強く思っていると同時に、患者さんにも大変好評で、僕自身も大変勉強になっています。

当院では、2014年2月から、2016年5月までの間に171例の患者さんに、計277回の負荷試験を行い、栄養指導もお願いしています。負荷試験及び食事指導は現在も継続中ですが、負荷試験陽性率は36.1%で、多くの患者さんが、食物除去の煩わしさから解放され、負荷試験陰性だったときの母親のこれで「食べれるんだ」という喜びはひとしおのものがあります。また、負荷試験で陽性であった児には、除去解除にむけた食事指導もお願いしています。この詳細は平成28年5月22日の第167回三重県小児科医会にて「当院における食物負荷テストの現状―開業医どこまでが安全か?−」という演題で発表させていただきました。その際、国立病院機構三重病院臨床研究部長尾みづほ先生、あいち小児保健医療総合センター副センター長兼総合診療科部長伊藤浩明先生には大変貴重なコメントをいただきありがとうございました。(「当院における食物負荷テストの現状―開業医どこまでが安全か?−」三重県小児科医会会報2016:第100号;16−25)
アレルギーに関しては、まだまだこれからも学ぶべきことが多く、今後も皆様のご支援をいただきながら、少しでも食物アレルギーで困っているお母さんの一助になれたらと思い日々診療に頑張っている毎日です。これからもよろしくお願いします。

【まつだ小児科クリニック HP】
http://www.matsuda-kids.com

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2016年09月30日 05:21に投稿されたエントリーのページです。

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