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10、第40回「防災講座-19:津波対策を知る」防災士 中根輝彦/メールマガジン122号

 メルマガをお読みの皆さん、こんにちは。防災士の中根輝彦です。
今回は、ハザードマップと避難行動のポイントについてお話します。

 津波対策として、すぐにやるべきことは津波避難の方法を考え避難訓練をすることです。津波から逃げ切って命をつなぐことを最優先とすべきでしょう。

 自分が住んでいる地域のハザードマップや被害予想マップを確認したことがありますか?行政が知らせてくれないなんて他人のせいにしていませんか?情報は自分で取りに行くものですよ。市役所公式ウェブサイトの防災関連ページに色分けした地図の画像が掲載されていたり、防災担当部署の窓口に配布用に大判の図表が印刷されたものが置いてあるかもしれませんね。まずは、被害想定を知ることから始めましょう。

 内陸や山間地に住んでいるから関係ないと思っていませんか?自分が住んでいるところは大丈夫でも、会社や学校など毎日通っている場所やそこまでの移動経路、実家や親類縁者ほか大切な人が住んでいる別の地域は、どんな被害予想がされているか確認しましたか?

 津波がどのあたりまでくるのか、津波の高さはどれくらいか、津波到達までの時間はどれくらいか、予想情報を読み取りましょう。あくまで想定ですから、想定よりも早く大きな津波が襲来して浸水するエリアも広がることはあり得ます。情報が不足していれば、確からしさが下がって、その分、避難行動も厳しい内容を要求されます。いろいろな状況を想像して、避難行動のバリエーションも検討しなければならないかもしれません。まずは、これらの想定に対して安全に避難できるかどうか避難方法を考えます。

 避難は水平方向と垂直方向を考えます。水平方向は、津波が襲ってくる海岸部から内陸方向の奥深く津波が届かない方へ。垂直方向は、津波の高さよりもさらに高い建物などの最上部へ。

 水平避難は、移動距離や移動経路から避難するのに必要な時間を考え、津波到達時間と比べて間に合うかどうか検討しましょう。津波は土地の利用状況や敷地区分に関係なく最短距離で内陸へと襲ってきます。避難行動は道路に沿って迂回して逃げる必要がありますから、津波の移動速度の何倍も速い移動を考えておかねばなりません。移動手段は原則として徒歩ですが、自動車を使わなければならない状況もあるでしょう。この件は次回以降に考えたいと思います。

 水平方向の避難が困難な場合は、垂直避難を考えましょう。学校校舎の屋上や大型ショッピングセンターの立体駐車場など最寄りの高いところへ逃げて助かった例は、東日本大震災でも多数ありました。津波の高さと建物などの最上部の高さを比べて避難場所として大丈夫か、最上部まで駆け上がる時間と津波到達時間を比べて間に合うかどうか、検討をしましょう。垂直避難のリスクは、最上部まで登っても津波の高さが予想以上に高くて水没してしまうこと、避難した人数が多すぎると十分なスペースがなくなる可能性があること、津波をやり過ごせたとしても周辺が水没してしまったら、救助を待たねばならないこと、などが考えられます。やはり、津波が到達しないエリアまで水平避難するほうが、その後の避難所や救護所への移動などもしやすく、より安全と言えるでしょう。

次回は避難行動のポイント(の続き)について考えます。

防災士 中根輝彦


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2017年01月29日 18:02に投稿されたエントリーのページです。

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