はじめまして、アレルギー支援ネットワーク派遣栄養士の伊藤です。私は、食べることの楽しさやおもしろさ、そして大切さを伝えたいと12年前に食育活動をはじめ、自分のこどもを含めたくさんのお母さん、お父さん、こども達とクッキングを楽しんできました。その縁で、託児所の給食や食育講座、離乳食・幼児食教室、健診での栄養相談などをさせていただくようになり、ママ達の悩みを聞く中で、アレルギーを心配する声が年々大きくなり、その悩みにしっかりと答えなくては、とアレルギー大学の門をたたきました。
勉強すればするほど、自分が思っていたよりもアレルギーは奥深く、また広い知識が必要とわかりました。また、参加している保護者の方々から管理栄養士に専門的な知識をしっかりともってほしいと望んでいる声を聞き、背筋が伸びる思いでした。その後、支援ネットワークで派遣栄養士をさせていただくこととなり、アレルギーのお子さんをもつお母さん達とお話をさせていただくようになりました。私自身は食物アレルギーの子どもを持っているわけではありませんので、お母さん達の気持ちが本当に理解できるのか?と自信を持てないこともありました。アレルギーの栄養指導の難しさの壁にぶつかっていた時、研修の中で素敵な言葉と出会いました。
「問題を問題としてとらえるのではなく、自分の課題としてとらえよう。課題は解いていくものだから、どうやって解いていくのか考えていけばいい」
私は、この言葉に自分の栄養指導の道筋を示してもらったように感じました。アレルギーという問題を、解くべき課題としてとらえ直してもらうこと。そして、その課題を解くツールを栄養指導の中で提供すること、それが私のすべき指導だと思いました。それまでは、私が悩みを理解して、問題をといてあげなくては!と必死になっていたように思います。
よくよく考えれば大人の栄養指導では、患者自身がどうありたいのか、どうしたいのかをしっかりと持ってもらうことが栄養指導の成功の秘訣となります。特定健診などは大人が相手ですので、これを肝に銘じて話をすることができるのですが、アレルギーの指導の場合、患者はお子さんで話をするのはお母さんということが多く、ついつい同じ“母”の立場で理解してなんとかしてあげたいと力が入ってしまっていました。お子さんを置き去りにした指導になってしまっていたかもしれません。
是非、お母さん達にも子どもの声をしっかりと聞いてほしいと思うのです。本人がどうしたいのか?将来どうなりたいのか?まだ、はっきりとしないかもしれません。でも、考えるように促してほしいと思います。親は子どもの目標がはっきりすると、それを応援することはとても楽しいと感じるものです。是非、子どもと同じ目標に向かって、同じ方向を向いて一緒に課題をクリアしていってほしいと思います。そして、私もそのお手伝いができたらとても嬉しいと思います。
「日進の子育て支援イベントでのクリスマスメニュー」(乳、卵除去)
写真の料理は、日進の子育て支援のNPO主催のイベントで作ったものです。
アレルギー児対象ではないのですが、私の料理強室はアレルギーの子も参加しやすいように乳・卵は基本的には使わないので、このメニューも使っていません。
献立は、
炊き込みエビピラフ(エビは後で入れています。未摂取の確認後にみんなに入れました)
豆乳コーンスープ(クリームコーン、豆乳、ブイヨンで作っています)
クリスマスサラダ(ブロッコリーをマッシュポテトで和えて、人参の星形を飾っています)
ミートローフ(鶏・豚ミンチに豆乳とパン粉、レンコンのすり下ろしをつなぎにして、パプリカ、ピーマン、玉ねぎ、人参のみじん切りを入れています)
クリスマスリースパンケーキ(乳卵なしのパンケーキの上に、小松菜で緑色にした豆腐クリームを絞り出し、缶詰の果物を切ったものを飾ります)
0歳から3歳までのお子さん連れの親子参加の企画で、離乳食も提供します。
この日は、中期食1(7倍かゆ、人参マッシュ、豆腐マッシュ),後期食1(5倍かゆ、人参とブロッコリーのスティック、鶏肉と豆腐のお団子あんかけ),完了期から幼児期は味付けを薄めにした大人と同じものを提供しました。
前日に人数やアレルギーの有無の連絡が来ますので、なるべく対応可能なものをと
思ってレシピを考えています。
伊藤日奈子