« 6、2/10(土)「大人とこどものアレルギー」市民公開講座(アレルギー週間事業in岐阜)/メールマガジン177号 | メイン

★能登半島地震におけるアレルギー疾患のある方々への支援活動について/メールマガジン178号

みなさま、こんにちは。
アレルギー支援ネットワーク理事の中西と申します。
能登半島地震において被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
私は、アレルギー大学で、初級レベルの実習「アレルギーっ子の災害対策」の講師も担当しています。
この講座では、東日本大震災など過去の大規模災害において当団体が支援活動をさせていただいた経験をもとに、アレルギー疾患のある子どもたちや、園や学校でその子どもたちを支える専門職の方々に、平常時から十分な備えをしていただきたいことをお伝えしてきました。
今年の元旦に、その大規模災害が起きました。私どもは、発災直後に被災地に出向いての支援活動はできませんので、今回の能登半島地震でも、被災地で活動をされる、日本栄養士会や、災害救援のNPO法人の方々を通じてアレルギー患者家族からSOSがあったときに、物資をお送りしたり、ご相談にお答えしたりする活動をしています。
今までに以下の活動を行いました。

1)初動支援(国や学会などからの要請を受けて支援)

1月9日に、日本栄養士会から小児アレルギー学会を通して、アレルギー対応食料支援の依頼がありましたので、当団体の事務所に備蓄していた食品(約1200食)など25個口を、その日のうちに 「石川県栄養士会」へ発送いたしました。箱の中身が四方からわかるようラベルを貼りました。


(クリックで拡大)

2) 災害救援のNPO法人など通じての支援

(1)「認定NPO法人レスキューストックヤード(RSY)」(※)及び「震災がつなぐ全国ネットーク(しんつな/事務局・RSY)」は、1月3日には被災地での支援活動を開始されました。そこで、「活動をされる中で、こどものアレルギー患者のSOSに出会われましたら、日本小児アレルギー学会の相談窓口(sup_jasp@jspaci.jp)にご連絡ください。大規模災害時のこどものアレルギーに関するSOSは学会として受け、どのように対応するかを組織で検討して動くことになっております。学会からの要請で、アレルギー支援ネットワークも初動支援をおこないます。」と、メーリングリストに発信をしました。
その後、RSYやしんつなを通じて数件、アレルギー対応食料のニーズがあがってきましたので、食料を詰め合わせたBOXをお渡しし、被災地のアレルギー患者さまへ届けていただきました。


(クリックで拡大)

(2)「こども女性ネット東海(CWNT)」(※)は、1月10日より被災地に入り、主にこどもと女性のニーズに応じた支援活動を開始されました。そこで、その都度、アレルギー対応のアルファ化米・おかず・お菓子・アレルギーミルクなどを詰めあわせたBOXを被災地に持参していただき、ニーズに応じて渡していただきました。


(クリックで拡大)

(※)名古屋には、災害時の被災者支援と、日常からの啓発活動を主な活動とするRSYや、災害時に声をあげにくい妊婦・乳幼児・こども・女性の命を守るための防災・減災活動をおこなうCWNTの事務局があります。日ごろより、アレルギーの理解を深めていただけるよう連携をして一緒に啓発活動をおこなっています。今回の震災では、RSYにはかねてよりつながりのあった穴水町から要請があり継続的・長期的に被災者支援を継続されています。CWNTは、能登島や七尾市・志賀町、珠洲市など、まだ支援が行き届いていない地域にも入って支援活動をしています。

3) 教育委員会からの要請に応じた支援

(1)1月18日能登町教育委員会事務局より、1月22日に学校給食を再開するにあたり、アレルギー対応の副食についてご相談がありました。その後、食物アレルギー児童の状況把握、食材の選択など、やり取りを重ね、3月4日に、当団体の栄養士(小児アレルギーエデュケーター)と、当団体サポーターの薬剤師(小児アレルギーエデュケーター)が、直接、能登町教育委員会にお届けをしました。


(クリックで拡大)

(2)2月18日穴水町教育委員会事務局より、学校給食の副食について相談、要請があり、同栄養士と薬剤師が、3月4日にお届けをしました。


(クリックで拡大)

(3)珠洲市と輪島市の教育委員会へは、当団体より電話をかけて、学校給食における食物アレルギー対応の食料でお困りではないかヒアリングをしました。やはり副食にお困りであることがわかり、ニーズに応じた副食をお送りしています。

※市町により差はありますが、給食調理場が復旧しておらず、栄養を評価した「給食」が未だ提供できないため、支援物資の中から選び「昼食」を提供されています。食物アレルギー対応の支援物資は少ないので、カレーか焼き鳥缶詰が続いてしまい、家庭から弁当を持参してほしいとお願いせざるを得ない、という悩みを抱えておられました。

1)〜3)の活動は、現在も継続しています。災害発生後のフェーズが進み、ニーズも変化します。当団体にできることは限られていますが、日ごろより繋がりのある団体を通じて、また、教育委員会を通じたニーズに、できる限りお応えしたいと思っています。今回の支援活動は、ニッポンハム食の未来財団の「災害時等における救援活動支援助成」と、アレルギー専門医やアレルギー大学受講生や一般の方からいただいた「寄付金」を活用しておこなっています。この場をお借りして御礼申し上げます。

About

2024年03月31日 05:40に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「6、2/10(土)「大人とこどものアレルギー」市民公開講座(アレルギー週間事業in岐阜)/メールマガジン177号」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。