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新年のご挨拶

認定NPO法人 アレルギー支援ネットワーク 理事長
北医療生活協同組合 あじま診療所 所長
坂本龍雄

新年のご挨拶
年明けを祝っているうちに早くも大寒を迎えました。春の始まりである立春もすぐにやってきます。この季節の節目を皆様とともに清々しい気分で迎えたいと思います。アレルギー支援ネットワークは引き続きアレルギーをもつ子どもたちに寄り添って、すべての子どもたちがのびのびと安心して成長できる社会の実現に尽力する所存です。

故伊藤浩明副理事長のご貢献に感謝します
残念なお知らせですが、昨年11月に副理事長の伊藤浩明先生(あいち小児保健医療総合センター長)をがんで亡くしました。伊藤先生はアレルギー支援ネットワークの設立者のお一人であり、20余年にわたり当法人の発展に力を注がれました。
学会活動にも精力的に取り組まれ、2024年には名古屋で開催された第61回日本小児アレルギー学会の大会長を務められました。また、学会の食物アレルギー研究推進委員会でのご活躍には目を見張るものがあり、監修者としてかかわった「食物アレルギー診療ガイドライ2021」は国際的にも高い評価を受けています。
日本小児科学会は「小児科医は子どもの総合医です」というスローガンを掲げ、全国の小児科医に、子どもたち一人ひとりを包括的にとらえて医療・保健活動を実践するよう呼びかけています(「将来の小児科医への提言2024」)。この提言をもう少し分かりやすく言い換えると、大きな困難を抱えた子どもたちや家族にとって診察室は遠くにあって視界にも入らない、したがって、小児科医に求められている役割は診察室での診療だけでなく、子どもたちの生活の場であるコミュニティー・地域で子どもたちの代弁者として子どもたちを支援しなければならないとなります。
伊藤先生とアレルギー支援ネットワークが協同して取り組んできた20年余にわたる「アレルギー大学」などの実践は、この提言の先取りであり、これまでに積み上げられた膨大な実績は全国の小児科医を叱咤激励しうるものだと自負しています。今後も伊藤先生の遺志を引き継ぎ、自信と誇りを胸に抱いて活動を進めたいと思います。

「おいしく治す 食物アレルギー攻略本(改訂版)」が大反響です
昨年、「おいしく治す 食物アレルギー攻略本(改訂版)」をアレルギー支援ネットワークから出版しました。巻頭には、監修をされた故伊藤先生からの「本書が、食物アレルギーを克服したいと考えている患者様と、それを支える医療者の皆様のお役に立てることを祈念しています」とのメッセージが記されています。出版早々から大反響で、学術本のベストセラーのひとつになっています。
この間、あいち小児保健医療総合センターの先生にご協力いただき、オンラインで「攻略本」の使い方講座を開催しました。こちらも大好評でした。皆様もぜひ「攻略本」をご購入いただいてご活用ください。

「アレルギっ子のフェア」が目前に迫っています
今春も「アレルギっ子のフェア」を開催します。3月21日土曜日(11:00〜16:00)、名古屋駅近くにある「ウインクあいち」の5階小ホールにおこしください。参加は無料です。予約をお急ぎください。
昨年の「フェア」はコロナ禍による5年間の中断をものともせず、400人ものアレルギっ子と保護者の皆さんに参加していただきました。今回もいっそうの工夫を凝らした企画や展示ブースを用意して皆様をお待ちしています。アレルギっ子と保護者の皆さんが主人公になって楽しめる機会をもっともっと増やすべきです。これはアレルギー支援ネットワークの大切な課題だと考えています。今後ともボランティアとしてのご参加やご寄付をよろしくお願いいたします。

「アレルギー大学」刷新プロジェクトをスタートさせます
「アレルギー大学」は食物アレルギーを体系的に学ぶ全国で唯一の市民講座であり、インターネットを介して全国のどこからでも受講が可能です。そして、「食物アレルギーアドバイザー」の資格を取得することができます。多くの「アレルギー大学」修了生は率先して地域や職場・家庭の食物アレルギー対応の改善に取り組んでいます。こうした世直しの観点からの「アレルギー大学」の役割も強調したいと思います。
2027年度の春に向け、「アレルギー大学」のカリキュラムを大幅に刷新する予定です。給食などの食物アレルギー対応の最前線で必要とされる情報や経験は時代とともに変化します。その要求にしっかりと応えたいと思います。「食物アレルギー対応の対象➡卵・乳・小麦」の理解だけでは対応できなくなっています。例えば、木の実・甲殻類・フルーツアレルギーが急増し、アナフィラキシーのリスクが増大しています。これらの食物アレルギーの原因食物の種類は極めて多く、症状もそれぞれ異なります。また、アレルギー食品表示の改訂がこうした事態に追いついていません。給食での除去対応の困難さが想像されます。
早期に寛解が得られない食物アレルギーをもつ子どもが増えており、当事者が主体的に自他の安全な食生活を実現できるよう、粘り強く成長に見合った食育を推進する必要があります。医療機関においても小児から成人に向けた「移行期医療」の整備が急がれます。
新しい課題が次々!
「アレルギー大学」刷新プロジェクトの成果をご期待ください。

学校給食費無償化を食物アレルギー対応の改善につなげたい
学校給食は教育の重要な一環ですから無償を原則とすべきです。すでに給食費無償化に向けた動きが活発化しており、東京都を始め全国の30%以上の自治体で小中学校の給食費無償化が実施されています。
この流れに圧され、政府は来年度から小中学校給食の抜本的な負担軽減(いわゆる給食費無償化)を実施することを決めました。補助基準額は食材費相当額として1ヶ月当たり5200円と設定、今後の物価動向等を踏まえて適切な額に改定されます。また、食材費が補助基準額を超える自治体については、引き続き自治体負担か保護者徴収かを決めることができます。
文科省は給食費無償化に向けて安定財源の確保、そして「食物アレルギーといった個別の事情で、弁当を持参しているケースや、不登校の場合など、給食を食べていない子らが61万人ほどいて、一律に無償化してもこうした人たちに恩恵が及ばない」という経済的負担の不公平性の解消を課題としてあげました。
後者の課題は、全国の多くの自治体がすでに独自の助成制度を導入していますが、弁当対応に限って無償化にともなう代替給付を実施することになると思われます。このことをもって「よかった」と喜んでいていいのでしょうか。
学校給食法の第1条には、「学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものであり、かつ、児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものである」と明記されています。学校給食を教育の重要な一環として位置づけるためには、栄養豊かでおいしい献立、地域の伝統的な食文化や食に関わる人々の営みが伝わる心のこもった献立を用意する必要があります。国が責任をもって学校給食費を無償化すれば、自治体や学校は財政的な余裕をもって豊かで心のこもった給食を提供できるようになります。給食費無償化を求める運動はこれからが正念場です。
給食費無償化と給食の食物アレルギー対応の改善は密接に繋がっています。給食費無償化が家庭からの弁当対応を増やしてしまうことを危惧しています。本来は財政的な追加措置が必要であっても、除去食対応ではなく、代替食対応を給食における食物アレルギー対応の基本に据えるべきです。代替食対応の推進は安全を最優先するという現在の基本方針に矛盾しません。また、除去を補って給食を楽しむ工夫は食育のよき教材になるのではないでしょうか。

本年が皆様にとっても輝かしい1年となりますように
アレルギー支援ネットワークの活力の源泉は、皆さんからの暖かいご理解と揺るぎないご支援です。これまで以上のご支援・ご協力を賜りますようよろしくお願い申しあげます。


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2026年01月28日 13:31に投稿されたエントリーのページです。

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