「アレルギーに関する災害及び平常時に係る支援協定」締結に寄せて
こんにちは。松阪アレルギーっ子の会まつぼっくりの藤田です。
今年3月、松阪市と、認定特定非営利活動法人アレルギー支援ネットワークの間で「アレルギーに関する災害及び平常時に係る支援協定」
が締結されました。
3月26日、支援ネットから須藤理事長、栗木さん、中西さん、当会から2名が出席して松阪市と支援ネット、両者の調印式が行われました。
当会会員も市長に面談させていただき、これまでの思いを聞いていただくことが出来ました。協定の内容は「平常時にアレルギー対応の物品を、支援ネットが調達及び保管し、市が保管料を負担する。災害時には、支援ネットがこれを配送し、市は物品の料金および配送料を負担する」という主旨のものです。地元の親の会として、さらに喜ばしいのは、この協定に
「平常時における、両者が協働して行う、災害時のアレルギー疾患者への理解に関する普及および啓発」という条項が、もりこまれた事です。
調印式当日、支援ネットより松阪市に、紙芝居「じしんがきたぞー」が50部、寄贈されました。当会では、4月末に、防災ボランティア団体の方と、会談をさせていただきます。
紙芝居を利活用して頂くために読み聞かせなど、啓発の機会を設けていただく様、依頼する予定です。
協定の締結に至った経緯を振り返り、財政難の中、少数派の市民のために、予算計上してくださった松阪市長を始め、市議会、職員の皆さん、景気が思わしくない中、多数の物品提供を決断してくださったメーカーさん、協定締結にむけて、市の担当者、企業側との交渉を一手に引き受けて下さった、支援ネットの栗木さんを始め、理事の皆さん、スタッフの皆さん・・・・
多数の方のご尽力に、深く感謝しています。当会としましては、全国初である、この取り組みが継続されることを願い、息の長い活動をしたいと思っています。
引き続きご協力、ご支援をお願いします。ありがとうございました。
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「全国初の『災害協定』を締結して」
認定NPO法人アレルギー支援ネットワーク 理事 栗木成治
松阪市との「災害協定」は、NPOと自治体と企業の皆さんとでつくりあげたアレルギーに対応した災害対策として全国初の試みです。しかもこの試みは、一にも二にも、地域のアレルギーの会の方の強い熱意から始まり実現できたものです。
この熱意と粘り強い働きかけがなければ実現しなかったといえます。
災害時にアレルギー対応用の物資が供給され、保障される仕組みができることは「アレルギーのことを考えなければいけない」という自治体や自治体担当者にとって願ってもない内容になっています。
ある新聞記者が「自治体にとって願ったりかなったりの協定じゃないですか!」と取材中に漏らしたその感想はズバリ的を射たものと思いました。
特に東海東南海地震という広域的な災害がおきたときに確かなアレルギー対応の商品をどう確保するかは実は大変なことです。今回、松阪市との協定にあわせて私たちNPOと企業との「災害協定」も交わしていますが、企業との協定」で一番の難関は災害時に各企業が必要な量の商品を送ることができるかどうかでした。
今のところの結論は、松阪市に供給する「10倍程度」なら現状で可能というのが、企業の皆さんのところで検討していただいた結果です。
つまり、それ以上は災害時に備えた企業の供給体制がまだ確立できていないのが現状の到達点です。
阪神淡路大震災のとき、一番大変だったのは送られてくる支援物資のほとんどは「アレルギー対応」でなかったことでした。私たちが被災者であるアレルギー患者個々人に送った物資は、実は全て購入して得ていたものです。
当時は、すぐに寄付金を募りましたので何とか供給が続けられましたが、広範囲に被害が及ぶであろう東海東南海地震では現物を確保することが至難の技といえます。
日ごろのネットワークが強固なものでなければ機能しえなくなるのは目に見えています。
今回は商品を供給する企業も含めて「協定」を結び、このネットワークの裏づけをしたことに大きな意義の一つがあります。
もう一つは「平常時」のアレルギー対策が「協定書」に書かれたことです。
これは藤田さんがこのメールマガジンに書かれていますので省きますが、地域の会の活動を支えていく上では大きな前進です。これが実を結ぶものになるかどうかは、まさに地域の会のガンバリにかかっているといっても言い過ぎではありません。
私たちアレルギー支援ネットワークは、これからもこうした地域のがんばりの支え手として会の皆さんと2人3脚ですすみたいと思っています。