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1 「アレルギー情報見聞録」第11回 二村昌樹先生/メールマガジン56号

「夏の暑さ対策」
独立行政法人国立成育医療研究センター アレルギー科
                          二村昌樹先生

この時期になると「今年は去年よりも暑いですね」があいさつ言葉になります。今年は節電対策として、多くの施設でクーラーの設定温度が例年よりも高めにされているため暑さをさらに感じていることと思います。私も先日のなでしこジャパンの活躍も生放送で見ていて、もっとも気温が低い時間帯にも関わらず自宅でクーラーをつけずにテレビを見ていたら汗だくになっていました。

この季節、アトピー性皮膚炎のお子さんは注意が必要になってきます。冬の乾燥で湿疹が悪くなるお子さんもいますが、夏も悪化する時期だからです。今回は夏の対策について主なものを書かせていただきます。

まずは汗の対策です。暑い日にはたくさん汗をかきますが、汗には体内からのさまざまな老廃物が含まれています。これらが刺激となって湿疹を悪化させます。汗をかくこと自体は体温調節や皮膚のバリア機能の一つとしても重要な体の働きですが、汗をかいたままにしておくと皮膚にはあまりよくありません。アトピー性皮膚炎のないお子さんでも汗疹(あせも)などの皮膚トラブルの原因となります。
汗をかいたあとはシャワーをお勧めします。毎日のスキンケアと同じように毎回石けんで洗う必要はありません。ぬるめのお湯でさっと流すだけ汗は流れてしまいます。
外出などでシャワーができない時はタオルで(ゴシゴシしないで)汗をふき取るようにしましょう。湿疹が悪化してしまったり汗疹ができたところは、石けんをつかった日常のスキンケアの時に、特に入念に洗ったり薬を塗ったりするようにして早めに治すようにしてください。

つぎに日焼け対策です。昔と比べて好んで日焼けをされる方は少なくなりましたが、アトピー性皮膚炎に限らず日焼けは皮膚にとって良いことではないことを意識して下さい。日焼けは皮膚にとって一種の「やけど」です。湿疹の悪化だけでなく、シミの原因になったり、皮膚がんの危険性が増すなど良いことはありません。
日焼けの対策は直射日光をさけることです。外出時はできるだけ日陰で過ごしたり、日差しの強い時間の外出を避けるのも有効な対策です。日傘やつばのついた帽子、肌を露出しない服を身につけたり、日焼け止めクリームを塗ったりするのも効果的です。日焼け止めクリームについてはいろいろな商品が販売されていますが、いずれを使う場合でも自分の肌の一部で試してみてから使用されることをお勧めします。「アレルギーテスト済み」といっても自分の肌ではアレルギー反応やかぶれが起こらないとは限りません。

この他にもアトピー性皮膚炎に限らず、熱中症、脱水症にならないようにこまめに水分摂取をしたりすることもこの季節はお忘れなく(^_^;)。


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2011年07月31日 20:06に投稿されたエントリーのページです。

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