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4 「肌に優しいシャンプーの選び方」第3回/メールマガジン55号

「肌に優しいシャンプーの選び方」第三回
      有限会社 あんだんて 有田浩三さん

6月号では界面活性剤の基礎知識について書きました。
8月号では「界面活性剤の変遷」について書く予定ですが、その前にシャンプー全体の流れを知っていただくために「シャンプーをとりまく環境の変化」について触れます。

【使用の頻度】
昔は週に1回石けんで洗うくらいでしたが、今では毎日洗うようになっています。化粧品技術者会のセミナー“やさしく洗浄する技術”でシャンプーの使用頻度のデータが示されました。グラフのコピーは貰えませんでしたが、記憶では1950年には週1回であったものが、10年毎に直線的に増えて2000年で週7回、2010年ではやや減少して週7回弱でした。これほど使用頻度が変わると髪・頭皮などへの負担も増え、それに見合った性能が要求されます。

【きれい好き】
生活習慣の変化で“洗い過ぎ”にならないように注意しましょう。
特にアトピーの方は“洗い過ぎ”“こすり過ぎ”にならないようにしましょう。“きれい好き”の弊害は、アトピーにおける都市衛生仮説とも相通じるところがあります。また、もともときれい好きなところにTVなどで殺菌の必要性が強調されるので、防腐・殺菌が重要視される傾向にあります。このことも頭皮・肌などへの負担になっています。この対策として防腐剤だけに頼らず、使用中に菌が入らない構造のポンプつき容器で防腐性能を高める例もあります。防腐は開封前よりも使用中の方が難しいので理にかなった方法ですが、入手しにくいので使用しているのは弊社を含めごく一部のメーカーです。

【技術の進歩】
上記のように環境は変化していますが、それに見合った素材も開発され配合処方も進歩しています。過去にはクレンジングに使用されたミネラルオイル(流動パラフィンのことで鉱物油とも総称されシャンプーにも一部使用される)で肌が黒くなるトラブル(油焼け)がありました。これは不純物原因でしたが、精製度が向上した今日では完全に解決しています。酸化されにくく、かえって安全性の高いものとして今は扱われています。他の素材でも同じような例は多数あります。

【商品の開発】
素材・処方の進歩により商品の低刺激性、使用感が向上していますので選択肢も増え選ぶ楽しさも出てきました。シャンプーの主剤(機能的に最も重要な成分)である界面活性剤については次回「界面活性剤の変遷」で詳しく書きます。
【石けん愛好】
自分好みのシャンプーがあることはよいことですが、こだわりすぎると選択肢を狭めてしまうおそれもあります。

【情報の開示】
2001年の法改正で全成分表示が義務付けられました。せっかく開示されているので活用しましょう。ご自分で理解できるのが理想ですが、無理な場合はわかる方に見ていただきましょう。調べるなら「中央書院:化粧品成分用語事典2008 化粧品技術者会名誉会員 鈴木一成監修」がお勧めです。高機能化粧品素材メーカーが資料提供をしているのでアミノ酸系、低刺激性、天然系素材についてはよく網羅されています。「肌に優しいシャンプー」にご興味をお持ち方には最適です。同じ内容のものがインターネットでは「化粧品成分用語辞典」として載っていますが、出版社の公式サイトではないのでいつまで見ることができるかは不明です。

http://www.keshou.nouko.net/2010/06/
【ITの普及】
インターネットの普及により数多くの商品を知ることができるので選択の幅は広がりました。また、全成分表示がなされている例が多いので判断しやすくなりました。この点はよいのですが、情報全般についてみるとまだまだ玉石混交で見極めが大事です。

今回の連載が少しでもお役に立てれば幸いです。


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2011年07月01日 05:55に投稿されたエントリーのページです。

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