アレルギー支援ネットワークは阪神淡路大震災や新潟中越沖地震、そして現在も支援活動中の東日本大震災を通じ直面した課題克服と今後の災害発生に向けて、新たに「アレルギーっ子の防災セット」の普及活動をスタートさせました。
私どもが災害支援活動を行う中での最大の問題は、“アレルギー対応物資がアレルギー患者に届かない”ことです。アレルギー患者はそれぞれのアレルゲンを配慮したきめこまやかな対応が必要になりますが、避難所などは大衆向けの不特定多数を想定した支援物資が主になり、その上パニック状態の緊急時には少人数に対応する余裕も配慮も欠如してしまうのが実態です。
今までもアレルギー支援ネットワークは防災活動として、緊急時に保護者不在でもアレルギーについて周囲の人に知ってもらう「緊急連絡カード」、患者の安否確認と救援受付窓口の「安否確認システム」の普及を積極的に取り組んできましたが、今後は緊急事態により迅速かつ的確にアレルギー支援活動を行うため、「登録シリコンバンド」を作成いたしました。そして、これら3点を合わせ「アレルギーっ子の防災セット」として新たな取り組みを普及していきます。
「登録シリコンバンド」には安否確認システムにリンクする登録番号が印字されており、緊急時にこのシリコンバンドを身に付けていることで安否確認の際に事前に登録したアレルゲンや症状などを確認し、必要な支援物資をお渡しすることが出来るのです。
また、避難所などでは患者が個別に要望をあげてもなかなか通らなかったり、一人だけだと要望自体が言えなかったりしているもの現実ですが、実は同じ避難所や地区にアレルギー患者がいて共に要望をあげることで解決される問題もあります。また、安否確認登録とシリコンバンドで相互扶助への橋渡しも可能になります。
この「安否確認システム」・「登録シリコンバンド」・「緊急連絡カード」の3点が一緒になった画期的な「アレルギーっ子の防災セット」は、公益事業として助成金で費用を補っているため、先着1万名の方に無償サービス提供が可能になりました。
お申込みはアレルギー支援ネットワークのHPから「安否確認システム」に登録することで、1患者につき「登録番号入りシリコンバンド1本」と「緊急連絡カード3枚」が郵送されます。登録対象者は、アレルギー患者本人または保護者の方で、アレルギー支援ネットワークや各患者会などの会員以外の方もOKで、一切費用はかかりません。
また、すでに既存の安否確認システムに登録済みの方には必要かどうかの確認をした上で順次、登録番号を発行しシリコンバンドを発送いたします。これを機会に、ご自身の防災対策を見直してはいかがでしょうか?
詳細はチラシをご覧ください。