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9 アレルギーのQ&A/メールマガジン58号

アレルギー支援ネットワークにアレルギー・アトピー性皮膚炎についての質問が寄せられました。今回この質問には、あいち小児保健医療総合センター アレルギー科の漢戸直之先生にお答えいただきましたので皆様にもご紹介いたします。

Q1:誤食についての質問です。
救命救急において毒物誤飲の際、活性炭の服用をさせ毒物の吸収を阻害させる治療方法があると伺いました。
食物アレルゲンを誤食した時、活性炭の服用は有効でしょうか。

A1:一部の食物アレルゲン(ピーナッツなど)において活性炭の有効性を示した報告はあるようですが、一般的には、活性炭はアレルゲンタンパク質のような分子量の大きな有機物の吸着には不向きであると考えられます。実際、誤食時の対応として活性炭投与は推奨されていません。

Q2:アレルギー物質の誤触についての質問です。
蚊に刺された直後、食塩を刺された箇所に置くと浸透圧によりカの痒み成分が塩に移り痒みが軽減されると聞きました。今回聞いたのは蚊についてですが、この蚊に刺される以外の食物アレルギー即時型反応での皮膚症状に対して、患部に食塩をすりこむことは有効でしょうか。

A2:有効性を示す医学的な根拠はありません。食物アレルギーの患者さんは、アトピー性皮膚炎を合併していることも多く、食塩をすりこむことが刺激となって湿疹が悪化する可能性も考えられるためおすすめしません。皮膚誘発症状に対しては、抗ヒスタミン薬の内服が一般的であり、患部を冷却するとかゆみが紛れる場合もあります。