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7 アレルギーっ子の防災★★第7回 防災のはなし「アレルギー患者団体の共助の仕組みづくり−1」防災士 中根 輝彦/メールマガジン89号

★★第7回 防災のはなし「アレルギー患者団体の共助の仕組みづくり−1」
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 メルマガをお読みの皆さん、こんにちは。防災士の中根輝彦です。
災害復旧支援・防災におけるアレルギー支援の取り組み事例について、一つ一つ紹介するシリーズ、第3回目です。

 前回は、「とどけ!ぱりまるプロジェクト」。企業、自治体、学校法人、社会福祉法人、NPO法人、ボランティア団体、一般市民と多彩な関係者が超win-win関係の下、アレルギー支援、被災者支援、障害者支援と複合的な支援をしている例を紹介しました。

 今回は、「東海・関西・中国地域防災対策ネットワーク会議(交流会)」から考える共同備蓄ネットワークについてのお話です。

 まずは、「東海・関西・中国地域防災対策ネットワーク会議(交流会)」の紹介から。

 3月21日に京都で、NPO法人アレルギーネットワーク京都ぴいちゃんねっとの主催により、東海・関西・中国地域のアレルギー患者団体が集まって、広域ネットワーク構築に関する意見交換、各地域での取り組み事例などの情報共有をしました。

 今回が第1回の会議ということで、お互いの状況を知るところから始まりました。まだ、どこまでやりたいか、どこまでやれそうか、といった匙加減を探る段階であり、具体的な構想案まではたどり着いていません。今後、会議を重ねながら具体化していくことになるようです。

 プログラムによると、参加団体同士の共助だけでなく、地域の防災団体や自治体とのネットワーク作りまで視野に入れており、行く末は国民運動的取り組みになりそうな対象範囲です。

 このメルマガの第4回で「共同備蓄」についてお話ししましたが、今回の広域ネットワーク構築のテーマのひとつとして、共同備蓄ネットワークを考えるという視点で、今回の対策会議を振り返ってみたいと思います。

 防災に対して、ボランティア団体や行政との協働に対して、団体ごとに意識や取り組み状況が異なっていることや、地域によって想定される災害や被害予測がさまざまであることから、統一された共同備蓄の取り組みをするのは困難であると、参加者の発言内容や考え方から、理屈ではない生々しい実感として感じられました。

 目指す姿(理想像)をしっかり描いてから取り組むという手法は、なかなか具体化していかないように思いました。今回のような広域を対象とするネットワークではなおのことです。できる地域や団体から、できることから、試行錯誤しながらPDCAを回す方法で進めるほうが少しずつでも形が見えてきそうです。

 共同備蓄の必要性をアピールするための一つの取り組みとして、団体間の救援物資輸送訓練を提案したい。このメルマガの第5回で紹介した「アレルギー対応備蓄食の搬送訓練」(自主防災組織版)をあちこちのアレルギー患者団体間で展開しようという試みです。

 アレルギー患者団体が参加する防災訓練において、意図的に救援物資輸送訓練を組み込み、備蓄ネットワークに参加する他の団体が、救援物資を提供する外部団体として加わるというものです。

 このような取り組みをしている例は少ないため、マスコミも取り上げてくれるのではないでしょうか?アレルギー対応備蓄の必要性や共同備蓄ネットワークの有用性をアピールし、新しい訓練メニューの提案をすることで、自主防災組織やボランティア団体と協働体制を築くチャンスになるのではないでしょうか?

 はじめはアレルギー関連啓発の一環としてのデモンストレーション的な取り組みと考え、団体間の交流や関係構築が進んだら、取り組み内容に改良を加えて本気モードの訓練に変えていくという方法も考えられると思います。

 備蓄ネットワークに参加する複数の団体が参加するようになったら、この訓練を発展させて、全国規模の一斉訓練にするというのはどうでしょうか?各地域のまとめ役となる団体がハブの役割を担って、地域内の近隣団体との間で集配をしたり他のハブ団体間との中継をしたりすれば、宅配業者のような全国的な相互供給体制も可能となるのではないでしょうか?

 そこまでの備えが必要か?という声も聞こえてきそうですね。でも、アレルギー対応の備蓄食が、備蓄量も生産量も十分でないなら、全国的な分散共同備蓄体制を整えることも将来の発展形として必要だと考えます。南海トラフ巨大地震が発生したら、被災地以外の地域で、被災地のアレルギー患者を支えるだけの備蓄・追加生産できる体制は整っているでしょうか?東日本大震災ではどうだったでしょうか?

 今回は、「東海・関西・中国地域防災対策ネットワーク会議(交流会)」から考える「救援物資輸送訓練(アレルギー患者団体版)」の提案でした。防災対策ネットワーク会議の動向については、今後の会議開催に応じて紹介していきます。

 次回は、「救援物資(アレルギー対応備蓄食)輸送訓練」の事例(愛知−新潟)について紹介します。

防災士 中根輝彦

日々つぶやいています。
@TeruhikoNakane

内容は筆者個人の考え方に基づくものです。アレルギー支援ネットワークを代表するもの、方針を反映したものではありません。

ご意見ご感想をいただけると嬉しいです。次の原稿を書く励みになります。アレルギー支援ネットワークの事務局まで、お寄せ下さい。
宛先:info@alle-net.com

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2014年04月30日 05:42に投稿されたエントリーのページです。

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