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8 アレルギーっ子の防災★第9回 2014.6.17「行政の災害用備蓄食 −情報共有」防災士 中根 輝彦/メールマガジン91号

アレルギーっ子の防災
★第9回 2014.6.17「行政の災害用備蓄食 −情報共有」 
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メルマガをお読みの皆さん、こんにちは。防災士の中根輝彦です。
災害復旧支援・防災におけるアレルギー支援の取り組み事例について、一つ一つ紹介するシリーズ、第5回目です。

 これまで数回にわたって「共助」の活動(共同備蓄や救援物資の相互提供など)について事例を紹介してきました。

 今回からは、「公助」のお話です。自治体が準備する災害用備蓄食料の品目をアレルギー対応のものに入れ替えてもらおうという取り組みです。「公助」を引き出すためのアレルギー関係者による「共助」と言った方が適切かもしれませんね。

 第3回の「公助」のお話で、自治体の備蓄食料をアレルギー対応のアルファ化米に入れ替えてもらう例を紹介しましたが、アレルギー関連の当事者や支援者が大々的に連携して、これを全国的な活動になるよう盛り上げていけたらと思います。

 第7回の「共助の仕組みづくり」のお話で、「東海・関西・中国地域防災対策ネットワーク会議」の紹介をしました。この会議の活動事例報告では、アレルギー支援ネットワークの中西さんが、岡崎市に対応の申し入れをした時の提出文書や取り組みの手順など詳しく説明されました。些細なことかもしれませんが、具体的な作業レベルの詳しいノウハウや成功事例が集まれば、行政と交渉したことのない方には、たいへん心強いのではないでしょうか。

 これらの情報を共有をすることができれば、自分たちが住む地域の自治体に申し入れをする際に、強力な裏付けデータとして活用できると思います。「全国各地で災害用備蓄食料のアレルギー対応化が進んでいる」というデータを示すことができれば、説得力が増します。

 アレルギー支援ネットワークさんでは、平成24年度・25年度の全国の自治体の状況を調査して、市町村単位の状況をまとめ、ウェブサイトで公開しています。全都道府県、全市区町村について状況がわかる一覧表が掲載されています。あなたの地域の状況はどうでしょうか?自治体はアレルギー対応品を備蓄してくれているでしょうか?

アレルギー支援ネットワーク「防災対策…アレルギー対応備蓄」
http://www.alle-net.com/bousai/bousai03/bousa03bousai03-04/

 この調査は、アレルギー対応のアルファ化米とアレルギー用ミルクの製造メーカーに協力いただいてまとめたものです。すべての自治体に回答依頼を出しているわけではありません。また、平成26年度の状況は追加調査されていません。

 全国の最新状況、他のアレルギー対応食品の詳細な状況まで追加調査するのは、とても大変な作業です。各地の団体が協力し合って、情報収集・情報共有の活動をしていただくとよいと思います。アレルギー支援ネットワークさんには、引き続き、継続調査・とりまとめをお願いできればと思います。欲を言うなら、全国の状況が一覧できる色分けした日本地図などの図や、検索が容易なデータベース化したものがあると、ありがたいです。

 自治体の災害用備蓄食料の準備状況は、担当部署に問い合わせれば教えてくれると思いますが、公式ホームページに掲載されている場合もあるかもしれませんから、まずは、自宅でインターネットの情報を収集するのもよいかもしれません。

 川崎市の場合、公式サイトに地域防災計画のPDFファイルが掲載されていて、「アレルギー対応食品の備蓄を進める」と明記されています。

川崎市地域防災計画 震災対策編(平成25年度修正)
http://www.city.kawasaki.jp/160/cmsfiles/contents/0000034/34665/kawasakiH25sinnsai.pdf
63ページ

 全国の都道府県が策定する地域防災計画は、総務省消防庁のサイトに「地域防災計画データベース」としてまとめられています。関係地域の地域防災計画は時間のある時に目を通して全体像を把握しておくとよいでしょう。

総務省消防庁 地域防災計画データベース
http://www.fdma.go.jp/disaster/index.html

 残念ながら、都道府県レベルの地域防災計画では、詳細な品目や数量まで記載されていることはほとんどなく、市区町村の地域防災計画を確認した方がよさそうです。インターネット検索で、「○○市 地域防災計画」などとすれば、かなりの自治体でヒットします。

 気を付けたいのは、インターネットで検索して情報が見つからなくても、対策がなされていないからだとは限らないということ。情報を掲載していないだけかもしれませんし、別の資料や文書に記載されているかもしれません。下調べ程度に考えた方がよいかもしれませんね。下調べをしておけば、窓口部署へ追い合わせるときには、さらにもう一歩踏み込んだ聞き方ができるかもしれません。

 今回は、「行政の災害用備蓄食−情報収集・情報共有」について紹介しました。
 次回は、「行政の災害用備蓄食−対策依頼」について紹介します。


防災士 中根輝彦

日々つぶやいています。
@TeruhikoNakane

内容は筆者個人の考え方に基づくものです。アレルギー支援ネットワークを代表するもの、方針を反映したものではありません。

ご意見ご感想をいただけると嬉しいです。次の原稿を書く励みになります。アレルギー支援ネットワークの事務局まで、お寄せ下さい。
宛先:info@alle-net.com

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2014年06月29日 17:54に投稿されたエントリーのページです。

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