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9、アレルギーっ子の防災★★第18回 「アレルギー患者団体の共助の仕組みづくり−2」/メールマガジン100号

 メルマガをお読みの皆さん、こんにちは。防災士の中根輝彦です。
今回も災害復旧支援・防災におけるアレルギー支援の取り組み事例について紹介いたします。

 今回は、「アレルギー患者団体の共助の仕組みづくり」について紹介します。
第7回原稿にて「東海・関西・中国地域防災対策ネットワーク会議」(2014年3月21日開催)について紹介しました。今回はその続編です。第2回会議が2014年11月13〜14日に開催されました。

 今回の会議には、以下の団体から参加がありました。
愛知(名古屋市):NPO法人アレルギー支援ネットワーク
京都(京都市):NPO法人京都アレルギーネットワーク京都ぴいちゃんねっと
京都(京都市):食物アレルギーと家族の会「ひこばえあおむしの会」
大阪(松原市):アレルギーっ子親の会「はすの会」
兵庫(姫路市):姫路食物アレルギーサークル「Olive(オリーブ)」
広島(広島市):NPO法人ヘルスケアプロジェクト
山口(山口市):アレルギーっ子の会「ぽれぽれ」


 前回の会議は京都市内の「こどもみらい館」の会議室で半日のディスカッションでしたが、今回はパワーアップして、さらに内容の濃いカリキュラムとなりました。QOLトラベルのアレルギー対応の食事を提供してもらえるオーダーメイドのツアーに便乗する形で、南紀白浜まで出かけ、1泊2日の行程を楽しみながら、日常生活から離れた環境で防災の取り組みについて集中した討議をすることができました。

 QOLトラベルのツアーで提供された食事については、「はすの会」のブログで紹介されていますので、こちらをご参照下さい。
「西日本アレルギー防災対策ネットワーク会議」in和歌山県 一日目
http://hasunokai1515.blog65.fc2.com/blog-entry-1219.html
「西日本アレルギー防災対策ネットワーク会議」in和歌山県 二日目
http://hasunokai1515.blog65.fc2.com/blog-entry-1221.html
QOLトラベル
http://qoltravel.net/

 1日目の午後は和歌山県立情報交流センター「Big・U」の会議室にて、NPO法人レスキューストックヤードの浦野さんによる講話。いろいろな災害で被災地がどんな状況になったか、その教訓としてどんな備えをしていくべきかの提案について、聴講しました。最後の質疑応答では活発な意見交換がなされ、そのまま、今後このネットワークはどんな活動をしていくのかという翌日の討議テーマに突入して、大いに盛り上がりました。途中で時間切れ打ち切りとなってしまったのは残念でしたが、各地から参加したメンバーが、今後もネットワーク活動をしていきたいという共通の思いを持てたのは、成果だったと思います。翌日の討議のための同じスタートラインに立てたと思います。

 2日目の午前中、1つめは「広島の集中豪雨災害」の報告。広島から参加した「NPO法人ヘルスケアプロジェクト」のメンバーから、被害の概要とアレルギーっ子の支援事例についての説明がありました。災害復旧復興支援をするいわゆる「災害系NPO」ではない、アレルギー関係団体による報告というのがミソです。アレルギー対応の視点で支援活動の状況が語られ、大変参考になる事例でした。

 最後は今回のメインテーマ「今後、このネットワークの活動はどう進めていくのか」についての討議です。2件の講話・報告を聴いた後で、取り組む内容によっては大変な活動になるかもしれないということを確認した上で、あらためて、今回の会議に参加した各団体の意識確認をしました。情報収集・動向調査のつもりで参加したはずが、いつの間にか強制的に参加団体とされてしまうというのは納得できないでしょうし、地元に持ち帰って会員の確認を取らないと決められないという各団体の事情もあるでしょう。また、今回の会議に参加していない団体にもネットワーク参加の呼びかけをしたいという思惑もあり、まずは参加団体募集の呼びかけ、名簿作りから始めることが決定されました。

 続いて、このネットワーク会議の名称を考えることになりました。これもまた議論が盛り上がりすぎて時間切れとなり、帰りのバスの中で続きをやるという想定外の事態となりました。各自が候補を提案して、全員投票により多数決で決めることになり、結果、「レスキューアレルギー」となりました。

 いやはや壮大な名が付いてしまいました。「東海・関西・中国地域防災ネットワーク会議」から、地域限定がはずれ、防災がはずれ、アレルギー支援に関しては全国規模で何でも取り組むネットワークに格上げされてしまった感があります。防災の視点から支援できればと考えていた私にとっては何とも驚愕の結果です。各団体からしてみれば、それだけ期待が大きいということの表れだと受け止めることにしたいと思います。

 アレルギー関係団体の連携の形が徐々に見えてきて頼もしい限りですが、私にとってはどんどんプレッシャが高まってきます。このネットワークに防災啓発団体や地域防災組織を結びつける仕事が待っていますから。ともかく、やれることをひとつひとつ取り組んでいくことに変わりありません。

 今後事務局から、各団体への参加呼びかけ、名簿作りの進め方について情報発信されることと思います。次回第3回会議は2015年度中に広島にて開催することも決まりました。次は、活動の目的や内容・対象範囲など具体化していくことが期待されます。これまでの2回の会議同様、助成金申請をして事業を進めるため、詳細はまだ未定です。

 2回の会議で進捗はこれだけ?というのは勘弁して下さいね。活動の規模が大きくなると進捗が遅くなりがちになるのは否めません。いろいろな調整が増えるし、地元活動にさらに広域活動を追加するのですから致し方ないかと思います。あせらずコツコツ「ぽれぽれ」でいきましょう。何はともあれ、参加された皆様、お疲れ様でした。

 「防災ネットワーク会議」あらため「レスキューアレルギー」の動向については、今後も活動の進捗に応じて紹介していきます。

 読者ご要望に応え、次回から新しいシリーズを始めます。お楽しみに。


防災士 中根輝彦

日々つぶやいています。
@TeruhikoNakane

内容は筆者個人の考え方に基づくものです。
アレルギー支援ネットワークを代表するもの、方針を反映したものではありません。

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