メルマガをお読みの皆さん、こんにちは。防災士の中根輝彦です。
前回のプレート境界型地震のお話に続き、今回は「活断層型地震」のお話です。
前回のお話に出てきた「プレート境界型」は、名前の通りプレート境界で発生する特徴があります。一方、活断層型地震は、プレート内部にある活断層が動くことで発生する地震です。活断層は日本中のいたるところにあり、どこでも震源となりうると言ってよいでしょう。プレート境界型のように周期的に繰り返し発生するという特徴はないといってもよいでしょう。プレートの弱いところが破壊されて断層となるので、プレート内部のどこでも発生するのではなく、活断層部分に集中すると考えられますが、その周期はさまざまです。プレート境界型は周期性がありますから、災害史をたどることで、次の発生時期がある程度予測できます。活断層型は、次にいつ発生するか予測するのがより難しく、対策も後回しになりがちです。都市部の地下にある断層が震源となるものは直下型地震とも呼ばれ、緊急地震速報などの地震発生を知らせる仕組みを整備しても、地震発生を知らせるのが間に合わず、避難・退避行動をとるのに十分な時間をとれないこともあります。
近年、日本で発生した例では、皆さんもご存じの1995年兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)や、2004年新潟県中越地震があります。いずれも大きな被害が出ました。ほかにも大きな断層はありますが、一般にはあまり知られていないようです。中央防災会議やその専門委員会でも、活断層型の地震について想定地震や被害予想・対策などを議論されることが少ないため、マスコミが取り上げないことも理由と考えられます。
プレート境界型と活断層型とで、地震対策の内容に大きな違いはないと考えてよいでしょう。日頃からの備え、地震発生直後の避難・退避行動、復旧復興に向けた取り組み、いずれも分けて考えるよりも、どちらにも対応できる対策をしていくべきかと思います。一番の懸念点は、活断層の存在を知らないでいて、自分たちが住んでいる地域では地震は起きないと思い込むことです。まずは、活断層の存在を知り、自分たちの地域でも地震が起こりうるという認識を持つところから、始める必要があります。決して他人事と思わず、自分事として備えていただきたいと思います。
防災士 中根輝彦
日々つぶやいています。
@TeruhikoNakane
facebook:teruhiko.nakane
内容は筆者個人の考え方に基づくものです。
アレルギー支援ネットワークを代表するもの、方針を反映したものではありません。
ご意見ご感想をいただけると嬉しいです。次の原稿を書く励みになります。
アレルギー支援ネットワークの事務局まで、お寄せ下さい。
宛先:
info@alle-net.com