メルマガをお読みの皆さん、こんにちは。防災士の中根輝彦です。
今回は「マグニチュード」と「震度」のお話です。
震度、マグニチュードともに、地震の話になるとよく出てくる言葉ですね。みなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。震度7、マグニチュード7.0などと、よく似た数字が並ぶこともあるので間違えやすいですが、意味するものが違いますので、数値だけでなく、マグニチュードなのか震度なのか区別する必要があります。
マグニチュードは、地震のエネルギーの大きさを表します。対数(log関数)で表されるため、数値が1増えると32倍、2増えると1000倍のエネルギーということになります。一つの地震に対して数値は一つです。地震が発生した直後に発表される速報値と詳細な計算をした後で発表される確定値で異なることもあります。地震学ではモーメントマグニチュード、気象庁マグニチュードなどいろいろな計算式が使われますが、一般には細かく使い分ける必要はないでしょう。
震度は、地震の揺れの大きさを表します。地震計で計測された数値を基に10段階の震度階級(震度0〜4、5弱、5強、6弱、6強、7)に換算されます。一つの地震に対して、いくつもの数値がとられます。地震情報のニュースなどで、震源地と揺れが観測された地域ごとの数値がたくさん示される地図を想像すると分かりやすいと思います。「○○地震は震度7」などと表現する場合は、その地震で観測された最大震度です。一番揺れが激しかった地域の震度階級値をとって、揺れの大きさ(被害の大きさ)を代表値として示すものです。すべての地域で震度7だったというわけではありません。
マグニチュードの値が大きいほど揺れによる被害も大きいというわけではありません。一般的には、震源から遠く離れるほど揺れは小さくなります。マグニチュード値の大きさだけでなく震源からの距離(地表面上での距離だけでなく地中への深さも含む)も意識する必要があります。地球の真裏の南米と日本列島直下で同じマグニチュード値の地震が起きたら、どちらの被害が大きいか直感で分かりますよね。電球の明るさ(輝度)と照らされるテーブル面の明るさ(照度)のたとえを出すまでもないでしょう。
揺れの大きさは震源からの距離だけでなく、地盤の固さによっても異なってきます。震源から同じくらいの距離なのに一部の地域だけよく揺れたなどということもあります。
いろいろ数値が飛び交うと、混乱してしまうかもしれませんね。地震対策の基本は揺れに備えることですから、マグニチュードではなく震度の大小が重要になります。被害想定で予測されている震度に合わせて、震度5弱だから対策はここまでとか震度7向だからもっと対策をなどと分けて考えるのではなく、費やす資金と時間がゆるすかぎりの備えをしたいものです。
防災士 中根輝彦
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