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2、リレートーク「栄養指導実施クリニックの紹介」 第3回 てらだアレルギーこどもクリニック 寺田明彦院長/メールマガジン112号

2010年12月、名古屋市南区にアレルギー科・小児科専門クリニックを開設し5年が経ちました。子どもの病気、特にアレルギー疾患(ぜんそく、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎・花粉症など)の診断と治療に力を注いでいます。子どもたちの健康を守り、家族の皆様の不安を和らげることができる、明るい笑顔のあふれるクリニックを目標にスタッフ一同頑張っています。
【診療実績】
 これまでのアレルギー患者数月別推移を図1に示します。最近は、ぜんそくが横ばい、アトピー性皮膚炎は減少、食物アレルギーと花粉症が増加しています(2016年1月)。

図1はこちらから

【診療内容紹介】
1. 食物経口負荷試験
食物アレルギーの確定診断、安全摂取量の診断、食物アレルギーの耐性獲得を目的に経口負荷試験を行っています1〜3歳の幼児はなかなか食べてくれないため、判定に支障のない児の好きな食べ物と混ぜて食べる工夫をしています。また、DVDやおもちゃなどで気分転換を図りながら行っています。アナフィラキシーを起こすこともまれにあり、担当看護師が必ずつきっきりで十分な観察を行いつつ隣室で診察中の医師とコンタクトをとりながら慎重に進めています。
2. 皮膚テスト(プリックテスト)
生後6か月未満では、まだ血液中に特異的IgE抗体が検出されにくいため活用しています。また、花粉・果物症候群の疑いのある方や特異的IgE抗体が検査できない場合には、原因食物を持参していただきPrick by prick testを実施しています。
3. 食物アレルギー、栄養指導
アレルギー支援ネットワークから派遣されたエキスパート(管理栄養士)が月4-5回栄養指導を行っています。除去食の代替食、アレルギーミルクを使用した離乳食の紹介、アレルギー物質の表示の見方、そして食物アレルギーの除去食解除にあたり加工食品のタンパク質量を保護者と一緒に考えて指導しています。看護師は栄養士と連携をとりながら体重増加不良児や除去食解除が進まない児など、不安の強い保護者の話を傾聴しサポートしています。
4. 肺機能検査と呼気NO測定
6歳以上の喘息児は毎回スパイロを行い、フローボリューム曲線を測定し肺の大きさと息を吹く力を客観的に評価しています。さらに、気道炎症を呼気NOにて評価し喘息コントロールの目安にしています。
5. 喘息、吸入指導
パンフレットを使用して喘息の病態、治療、環境整備などを説明しています。吸入療法を始めるにあたって発達段階に応じて手技を説明し、練習用のデパイスを用いて個別に患児と保護者に指導しています。低学年児にDPIを指導する際は、吸入方法をDVDで学習してから看護師が実演し練習します。そして長期管理薬と吸入短時間β2刺激薬の使い方を書面にして患児・保護者が理解できるように説明しています。再診時には吸入手技や吸入実施状況を再確認しています。セルフケアの支援ではピークフロー測定を指導し、最良値から80%に低下した値を本人と保護者に伝えて悪化予防に努め対処方法を指導しています。
6. スキンケア指導
アトピー性皮膚炎の病態、治療、環境整備などを説明し、スキンケア(体の洗い方、軟膏の使用方法)を個別に指導しています。特に部位によってステロイド軟膏指示が異なる場合は軟膏指示シートを使用して説明しています。また、定期的に看護師が「スキンケア教室」を行っています。石けんの泡立て方や軟膏の使用量・塗り方を実演しながら適切なスキンケア―と軟膏療法を指導しています。
7. アレルギー性鼻炎・花粉症
通年性・季節性と共に、年々増加しています。診断には鼻汁中好酸球の検査を行っています。点鼻薬の使用方法では、患児が嫌がらないように鼻粘膜への刺激を少なくする方法を指導しています。また、マスクの活用やアレルゲンの除去・回避を指導しています。
8. 副鼻腔炎
長引く咳の出る疾患の鑑別診断に重要です。副鼻腔レントゲン検査(ウォーターズ法)を行う際には、子供に不安な気持ちを抱かせないように、励ましつつ上手にできるよう援助しています。そして、咳の出かたを詳しく聞き、鼻汁が溜まっている児は鼻をかむ練習や自宅での鼻汁吸引を指導しています。また、なかなか治りにくい患者さんには、家庭での1%食塩液を用いたカテーテルチップによる鼻洗いをお勧めしています。

近年、アレルギー患者が増加しており、不安を抱えた保護者も多く、検査一つにしても保護者に書面によりわかりやすく説明してから検査・処置に立ち合っていただき、できるだけ児の不安を軽減することで適切な検査・処置ができるように支援しています。そしてアレルギー疾患の診断後は、適切なセルフケアができるように児や保護者の話に傾聴し治療が継続できるように心がけています。

【てらだアレルギーこどもクリニック HP】
http://www.terada-allergy-kodomo-clinic.com

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2016年03月30日 02:30に投稿されたエントリーのページです。

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