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2、熊本地震におけるアレルギー患者家族の方への支援活動についての状況報告/メールマガジン114号

2016年4月14日(木)以降、熊本県 益城町(震度7)を中心に何度も発生しました地震において被災された皆さまには、心よりお見舞い申し上げます

アレルギー支援ネットワークは、かつて阪神、新潟、東北の震災において、現地に直接はいった支援活動を行いました。しかし、当時その最前線に立った理事が病気で亡くなったこともあり、その後は防災関連の諸団体との連携を中心として、防災・災害支援に備えてまいりました。

今回の地震においては、主に次の2つの団体と連携して、ささやかながら後方支援的な活動をさせていただきました。

そのひとつは、「震災がつなぐ全国ネットワーク」(以下「震つな」)との連携です。「震つな」は、過去の災害を教訓に、共に学び共に提言し、災害時には協働することを主旨に全国約50の団体と個人で組織され、事務局は、認定NPO法人レスキューストックヤード(事務局/名古屋市)内にあります。団体会員は災害支援と啓発に特化した活動をしているNPOが多く、大きな災害が起こると、直後に被災地に入り、専門性を生かして、行政支援、ボランティアセンター支援、避難所運営支援など臨機応変に支援活動を行います。アレルギー支援ネットワークも加盟し、日頃より、アレルギー疾患に対する啓発活動を行っていますが、災害時には、必要と思われる情報をお伝えし、被災地に直接入ることができない私どもに代わり、アレルギーでお困りの方にも目配りをしていただくよう、お願いをしています。
今回は、被災地に入った「震つな」メンバーからの報告を、メーリングリスト上で把握し、状況に応じて、アレルギー相談窓口や支援物資の供給体制などをお伝えし、アレルギーでお困りの方がいらっしゃったら私どもにつないでくださいと発信をしました。(4月17日・4月28日)
また、名古屋市内の行政、NPO、災害ボランティア団体などで構成する、「名古屋災害ボランティア連絡会」(5月12日/月1回開催)でも、被災地に支援に入った数団体より状況を伺い、更なるご協力をお願いしました。
日頃から顔の見える関係にあることで、スムースに支援のお願いをすることができました。

もうひとつは、日本小児アレルギー学会(以下、学会と略します)の活動に協力しました。熊本にはもともとアレルギー専門医が少なく、被災地の中央にある国立病院機構熊本医療センター小児科の先生を中心として、学会の支援活動が展開されました。現地の医師は自らも被災され、被災者全体の治療にもあたる立場にありました。そのため学会としては、支援の中間拠点を国立病院機構福岡病院において、行政や国立病院機構の支援体制の一部にはいる形で現地に必要な物資を届けるなどの体制を整えました。日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会の小児アレルギーエデュケーター(以下、エデュケーターと略します)の方たちも、情報収集や支援物資の管理・流通に協力されました。また、日本栄養士会も、食を中心とした支援活動を展開されていましたので、食物アレルギーに関連する支援について学会と連携する体制が作られました。

学会を中心としたこうした支援体制は、迅速なメール審議などにより、発災後約1週間で作られました。

アレルギー支援ネットワークとしては、かつての教訓の元に、現地に単に支援物資を送るだけの活動を控えて、防災ボランティアの方たちから得た現地情報を学会に伝えたり、学会の行う支援活動について防災ボランティアの方たちに託して現地に伝えて頂くという、後方支援を行いました。そして、現地の物資受け入れ体制が整ったことと、現地が必要とする物資を確認した後、これまで備蓄していた下記の支援物資を、4月22日に福岡病院に発送しました。ここを経由して熊本医療センターなどに届けられた物資は、現地の患者会の方たちのご協力もあって、必要とされる方たちに渡されていったと伺っています。
 
また、かねてから整備していた安否確認システムに登録をされていた熊本県・大分県の方に対しては、4/15(金)に「安否確認メール」を配信し、登録者全員の無事が確認できました。被災地からのSOSは、4/17(日)に1件届きましたが、安否確認システムには登録されていない方でした。アレルギー対応食品供給体制が整いつつありましたので、相談窓口や物資の拠点をお伝えすることができました。

今回の活動のポイントは、混乱している現地にやみくもに物資を届けて、現場の方たちの負担を大きくしない、ということにあったように思います。実際、現地の医師やエデュケーターの方たちは、総合的な医療活動を求められるため、アレルギー支援に特化して動くことができないというジレンマがあったようです。

急性期は過ぎましたが、大量の住宅が倒壊して、まだ仮設住宅も間に合っていない状況にあります。急性期の食糧支援は一段落したかもしれませんが、生活に密着した疾患であるアレルギーの問題については、長期的な調査や支援が必要になると思われます。私どもとしましては、そうした長期化する避難生活の中でお困りの方を支援できるよう、現地のエデュケーターを中心とした医療関係者や、こども・女性支援のNPO団体と連携をして、アレルギー患者の支援を継続的に行っていく準備を進めています。

東日本大震災におけるアレルギー患者家族の方に対する支援活動と同じような活動をすることはできません。
しかしながら、被災地にかけつけることはできなくても、アレルギーでお困りの方に支援物資を届けたり、支援情報の提供をしたりすることができます。
また、災害時に困らないよう平常時に備えをしておく大切さをお伝えすることができます。

私どもアレルギー支援ネットワークは、今後も、アレルギー疾患者家族の方々が災害時に困らないよう、啓発活動を行っていきます。

【支援金のお願い】
熊本地震で被災された、アレルギー疾患をもつ患者家族の方へ、長期的な支援活動をするために、支援金を募集しています。
皆様からいただいた支援金は、主に以下の活動に使わせて頂きます。

http://www.alle-net.com/aboutus/aboutus08/aboutus08-07/


ご支援ご協力を宜しくお願いいたします。
寄附口座番号  郵便振替口座 00870-8-182317
認定NPO法人アレルギー支援ネットワーク

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2016年05月30日 11:35に投稿されたエントリーのページです。

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