こんにちは。今年度アレルギー大学の講師を担当させていただくことになりました、アレルギー支援ネットワーク派遣栄養士の寺倉里架と申します。私の担当は初級講座の「乳幼児期の栄養と献立」です。
さて、今から21年前になりますが、娘は食物アレルギーと診断されました。とにかくアレルゲンはすべて除去の時代。症状に関係なく疑いのあるものはすべて除去していました。
もちろん、授乳中は私自身も除去。毎日どこに情報を求めていけばいいのだろうかと、不安と悲しみは募るばかりでした。そして、それまで管理栄養士として食事の大切さを伝えてきたのに、食材が身体にとって異物になるなんて信じられませんでした。そんな中、除去ばかりを考え、栄養面に対して全く無頓着にもなっていました。
ですが、今は逆に情報が散乱し、良くも悪くもその情報に惑わされてしまう機会が増えたようにも思います。また、家庭の食環境も、食材が豊富に揃うにも関わらずどこか心の貧しさを感じます。
そこで、この講座ではまず、乳幼児期における基礎的な栄養及び食生活についてお話します。
皆さんが疑問に思っていることで、例えば完全母乳栄養でないといけないの?ベビーフードは使っていいの?など基本的な内容についてまずお話をします。その基礎を基に乳幼児における食物アレルギー児の食生活に応用していただけるよう、乳幼児期における食物アレルギー児の食生活における問題点も取り上げお話をしていきます。
また食物アレルギーは食生活と直結しています。小児科で栄養指導をさせていただいて思うことですが、調理に関するスキルも人さまざまですし、核家族化や女性の社会進出によって食生活もどんどん変わってきています。栄養面、患者家族の環境(家族構成、共働きか、保護者の調理スキル等)、気持ち等をよく理解したうえで、食生活に関して支援していかなければいけないなあとつくづく感じております。講義では、食物アレルギー児の母であり、管理栄養士であり、PAE(小児アレルギーエディケーター)でもある立場からお話しできたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。