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EBM(根拠に基づいた医学)

医療者の勝手な思い込みだけではなく、科学的な根拠(研究でわかった事実)を基にして、医療者の経験や患者さんの考え方や希望を踏まえて治療法を決めること。
例)ある病気についての研究で、治療薬Aが治療薬Bよりも効果が高く副作用も少なかった。医師は経験からAがいいなと思っていたが、この結果から自信をもって患者に治療薬Aを勧めた。

エビデンスレベル

研究から得られた結論(エビデンス)に対する信頼の高さを表すための数字。数字が低いほど信頼性が高い。研究の方法によってこのレベルは決定される。
例)エビデンスレベル5の研究Aの結果と、エビデンスレベル1の研究Bの結果では、研究Bの結果のほうが信頼性が高い。

系統的レビュー(システマティックレビュー)

あるテーマに関する研究が複数ある場合に、これらの研究をすべて集めて、まとめて判定したもの。
例)治療薬Aと治療薬Bの効果を比較した研究が4つあり、結果がばらばらだった。系統的レビューではこれらをすべて統合してAが優れているという結論になった。

無作為化比較試験(ランダム化比較試験)

患者を2つ以上のいずれかの治療をして、その効果を比較する試験(研究)。このときにどの治療にするかは偶然に任せる方法で(例えばサイコロの目やくじ引きによって)決める。
例)50人の患者に対して、治療Aを25人、治療Bを25人となるようにくじ引きで決めてその効果を比較した。

介入研究

薬を飲む、手術をする、教育を受ける等、患者に人為的な変化(介入)を加えてその効果を調べる研究。観察研究ではない研究。
例)ある病気の患者に、薬Aを飲んでもらって効果を調べた。

観察研究

介入研究ではない研究。研究のための人為的な変化を加えずに、自然の流れや通常の治療行為で得られるデータを用いて行う研究。介入研究ではない研究。
例)愛知県に住んでいる子供のうち、ある病気の子供が何人いるかを調べた。

経口免疫療法

口からアレルギーの原因物質を摂取する(食べる)ことによりアレルギーを改善していく治療法。経口減感作療法。

メタアナリシス

複数の研究をまとめて解析する統計の方法。系統的レビュー(システマティックレビュー)の時によく使用される。
例)治療薬Aと治療薬Bの効果を比較した研究が4つあり、その4つの結果を統合してメタアナリシスしたらAが優れているという結果が出た。

有意(差)

2つの値の違いが統計的に偶然ではなく、明らかに違うと判定できたとき「有意差がある」と表現する。

ガイドライン

一般的に行うべき方向性をまとめたもの。医療においては患者の治療をする上で医者の判断を助けるもの。

プラセボ

日本語で偽薬と表現される、人体に対して効果もなく有害でもない物質のこと。

感作

体の中でアレルギーが起こる可能性にある状態。ある特定の物質(食物)に対する特異的IgE抗体が陽性に出る状態。

耐性

アレルギーがあった物質(食物)に対し、もうアレルギー症状が出なくなる状態。

脱感作

治療などによって一時的にアレルギー症状が出なくなっている状態。