「アトピーとお風呂」
三田皮フ科クリニック 三田哲郎(さんだてつお)
新年を迎えました。年齢と共に一年が本当に早く感じられるとは本当に良く言ったものです。
あれだけ暑かった夏がつい昨日のような気がする今日この頃ですが、いつ雪が舞ってもおかしくない時候となりました。
例年この時期早めに車のタイヤを冬用タイヤに付け替えるのですが、付け替えると不思議としばらく雪が積もらないのです。
逆に付け替えを忘れていると、ドカ雪が降って慌てる羽目になります。
天候等の自然相手には念には念を入れた準備が欠かせないものですね。
さて、閑話休題。
この季節のアトピーの方の入浴についてふれてみましょう。
寒い季節になるとホントにお風呂が待ち遠しいですね。
でもね、お風呂も自律神経に関係するんですよ。
そこで、少し特性を知って入浴すると得した気分になれるかも…。
たとえば、お風呂の温度ですが、冬になるとつい43度位の熱いお風呂に入りたくなりますよね?
私も夜寝る前に43度の高温浴を楽しんでいる一人ですが…。
でも、これはお勧めできないのです。
42度から44度の高温浴は交感神経(興奮する神経です)を刺激して、新陳代謝を高めて眠気を減らしてくれるのです。
ですから、仕事から帰って高温浴すれば眠りにくくなってしまうわけです。
交感神経を刺激すると、皮膚の血管は収縮して心臓に還る血液が増えて、血圧が上昇します。そのまま、入り続ければ今度は皮膚の血管が拡張して、血圧は低下してくるといった反応がダイナミックに起こり、心臓にはかなりの
負担になってしまうでしょう。
高温浴はアトピーの方にはお勧めできないのは言うまでもありませんね。
35度から38度のぬる〜い低温浴はと言えばこれは体をリラックスさせる
副交感神経が働いて精神的に落ち着き、皮膚の血管にも刺激が少なく、筋肉も緩むと言われています。心拍数や血圧の変化も少なく心臓に負担も軽いことから寝る前の入浴には適しているのです。安眠も得やすいでしょう。
アトピーの方にもお勧めで、入浴後のかゆみも高温浴に比べて楽であると思われます。
さらに、アトピーの方は、入浴時痒い部位には、あまり石けんを使用しないほうが良いでしょう。特に冬は避けた方がよいと思います。タオルやガーゼの使用もやめておきましょうね。
あと、入浴剤にも工夫が必要ですが、それは温泉の利用などにも関わる話ですので、また気の向いた時にでもふれてみてもようかもしれませんね。
今日もお疲れ様でした。ゆったり、お風呂につかって癒しましょうね。
おやすみなさい…。