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4 防災のはなし 第1回「自助」 防災士 中根 輝彦/メールマガジン83号

メルマガをお読みの皆さん、こんにちは。防災士の中根輝彦です。
今回より防災の話題を担当することになりました。どうぞよろしくお願いします。

 先ずは自己紹介を少し。アレルギー支援ネットワークとのお付き合いは平成22年くらいからになります。地元自主防災会の防災訓練でアレルギー対応食の炊き出し訓練を指導させていただいたり、アレルギー支援ネットワークの東日本大震災の支援ブログの立上げに協力させていただいたりしています。

 自分自身も家族にも食物アレルギーの者は一人もおらず、これまではまったくアレルギー対応の取り組みはしてこなかったため、ほとんど門外漢という状況です。

 災害支援・防災に関しては平成15年くらいから取り組み、現在は地元自主防災会の役員として活動の企画運営をしたり、市内の防災講座や他の自主防災会の訓練指導等をしております。

 このメルマガでは、アレルギーに関する専門的な内容よりも、一般的な防災のお話から地域防災活動へアレルギー支援をどう広めていくのかといった事例研究や読者交流など、防災を切り口にした内容でお役に立てる情報を発信していけたらと思っています。

 第1回となる今回は、「自助」についてのお話です。

 防災の世界には「自助・共助・公助」という言葉があります。「自助」は自分のことは自分で何とかしようという取り組み。「共助」は自分でできないことはみんなで何とかしよう。「公助」は手に負えないことはお役所に頼もう。ということです。

 自助と共助の区分は曖昧です。立場が異なると、同じ取り組みを自助とも共助とも捉えることができます。厳密に区別することにこだわる必要はないでしょう。例えば、町内会の活動。自分の家族で取り組むことは「自助」で、町内の皆さんが協力しあって取り組むことは「共助」です。小学校区の町内会連合会などでは、個々の町内会の活動は「共助」ではなく「自助」、町内会相互の協力が「共助」となります。どの立場で誰のために取り組んでいるのかを意識することが重要です。はっきり区別できそうなのは、「公助」は役所や公的機関が中心となって取り組む内容だということです。

 さて、「自助」として取り組まなければならないことは何でしょうか。日ごろの防災活動での対策支援、被災後の復興支援、いろいろな局面で共助・公助の手が差し伸べられますが、それらの支援ではどうにもできないことがあります。これは「自助」として、自分で家族で何とかしなくてはなりません。

 「自助」でしか解決できないこと。それは、「個人資産の管理・処分」。どうしたいのか、どうありたいのかという「自分の希望する姿を決める」こと。そして、いろいろな支援を受け入れるのか、断って我慢するのか、折衷案で妥協するのか、といった「決断」です。決断には「責任」が付いて回ります。その後の事態を受け入れる「覚悟」も必要です。

 「自助」の取り組みを、我が子のアレルギー対応に当てはめて、考えてみて下さい。絶対に失いたくないもの、ギリギリの局面でも文字通り「死守」したいもの、他人に委ねられないこと、これだけは自分の手で…、どんなことがありますか。たくさんありますか。

 前述のように、「自助」でしか解決できないことは、「共助」の手を差し伸べる支援者にもどうすることもできません。これらは何が何でも頑張って守っていただきたい。残念ながらもう「健闘を祈ります」としか言えません。踏み込むことができない領域ですから。

 「たくさんありすぎて手に負えない」って感じましたか?大丈夫です。「共助」の仕組み・方法・仲間を作り、それらに「委ねる決断と覚悟」ができれば、道は開けます。

次回は、「共助」についてお話したいと思います。


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2013年10月30日 10:59に投稿されたエントリーのページです。

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