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8 アレルギーっ子の防災★第8回 2014.5.9「救援物資(アレルギー対応備蓄食)輸送訓練 −1」防災士 中根 輝彦/メールマガジン90号

アレルギーっ子の防災
★第8回 2014.5.9「救援物資(アレルギー対応備蓄食)輸送訓練 −1」
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 メルマガをお読みの皆さん、こんにちは。防災士の中根輝彦です。
災害復旧支援・防災におけるアレルギー支援の取り組み事例について、一つ一つ紹介するシリーズ、第4回目です。

前回は、「救援物資輸送訓練(アレルギー患者団体版)」の提案でした。
今回は、その具体的な取り組みの事例を紹介します。

 4月30日〜5月1日に、愛知県名古屋市から新潟県三条市までアレルギー対応アルファ化米を輸送する訓練をしました。訓練の概要は以下のとおりです。

1)新潟県で災害が発生し、4月30日に新潟県内の患者会より名古屋のNPO法人アレルギー支援ネットワークへSOS入電があり、アレルギー対応備蓄食の提供を要請された。第1報では詳細不明。

2)詳細不明ながらも、緊急対応の第1陣として、名古屋でアレルギー対応アルファ化米をマイカーに積み込んで出発し、高速道路を走って翌日に新潟へ届ける。輸送担当は、西尾防災リーダー会(筆者)が担当する。

3)届け先は、途中休憩するSAなどで連絡を取りながら確認する。また、輸送車両の状況を発信し、関係者が把握できるようにする。

4)SOS発信をした患者会に直接手渡しできないことがわかったため、NPO法人にいがた災害ボランティアネットワークに中継を依頼し、最終的に長岡市と新潟市の患者会に届けてもらう。(想定のみ)

5)訓練で実際に届けたアルファ化米は、患者会に提供するものではなく、にいがた災害ボランティアネットワークに提供し、アレルギー対応の啓発に利用してもらう。

6)情報発信は、輸送担当者(筆者)がTwitter、facebookの個人アカウントで実施する。

7)翌日5月1日は、災害用伝言ダイヤル171、災害用伝言板web171の練習日なので、可能なら発信を試みる。

 これだけ読まれると、かなり大掛かりなことをやっているように思われるかもしれませんが、そうではありません。ほとんど筆者の脳内想定、一人芝居の訓練です。予めアレルギー支援ネットワークに依頼しておいた配布用のアルファ化米を、名古屋から三条まで届けただけというほうが現実に近いです。

 今回の訓練は、いろいろな状況に対応できるように、よりリアルで詳細な想定をして訓練を重ねていく、そのきっかけ程度に考えています。前回のメルマガで「はじめはアレルギー関連啓発の一環としてのデモンストレーション的な取り組みと考え、…」としていた、そのはじめのデモンストレーションに過ぎません。

 実際に、SAで休憩するたびにTwitterでつぶやきながら、名古屋から新潟まで走りました。防災やアレルギーに関心のあるフォロワーに、多少なりと考える機会を提供できたと思っています。これらのつぶやきは、私のTwilog(http://twilog.org/TeruhikoNakane/)に4月30日と5月1日のログとして残しています。関心のある方は覗いてみて下さい。

 やってみることで気づかされることがたくさんあります。想定は現実的か、クリアすべき目標にかなっているか。対応方法は、いざというときに役立つ方法か、実現可能な方法か。見つかった不明点の調査や不足している装備や体制の整備をどうするか。今回のような応援/授援が1対1ではなく、1対多、同時多発となったらどうするか。考え出すときりがありません。

 訓練をして気づいたことは多々ありますが、ここで全て紹介するのは困難ですので、割愛させていただきます。後日、詳細を報告書にまとめてアレルギー支援ネットワークに提出する予定です。

 消防の世界でよく言われるのが「訓練でできないことは非常時もできない」という言葉。私たちはプロではありませんが、当事者としてやれることはやっておくべきと思います。公助に頼る前に、自助・共助活動ありきです。今後も今回のような訓練を繰り返していきたいと考えています。最初は交流イベント、ネットワークづくりでかまわないと思います。関心を持たれた患者会の皆さん、一緒にやってみませんか?

 今回の訓練では、私の勝手な想定で訓練に仕立て上げましたが、アレルギー支援ネットワークさんや、にいがた災害ボランティアネットワークさんのご協力で、それらしき形にすることができました。改めてお礼申し上げます。

 また、想定の中で「長岡市・新潟市の患者会からSOS発信」としましたが、あくまでこちらが勝手に想定したものであり、患者会はこの訓練に関わっていません。寝耳に水のようなお話だったことと思います。アレルギー支援ネットワークさんより連絡いただけたので混乱はなかったように聞いておりますが、不要な対応を強いてしまったならお詫び申し上げます。次回は交流も兼ねて一緒に取り組めることを期待しています。今年は7.13水害や10.23から10年の節目の年ですし。

 今回は、「救援物資(アレルギー対応備蓄食)輸送訓練」の事例を紹介しました。救援物資輸送訓練の事例については、今後も訓練事例があれば紹介していきます。

 次回からは、「行政の災害用備蓄食について」紹介していきます。


防災士 中根輝彦

日々つぶやいています。
@TeruhikoNakane

内容は筆者個人の考え方に基づくものです。アレルギー支援ネットワークを代表するもの、方針を反映したものではありません。

ご意見ご感想をいただけると嬉しいです。次の原稿を書く励みになります。アレルギー支援ネットワークの事務局まで、お寄せ下さい。
宛先:info@alle-net.com

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2014年05月30日 22:31に投稿されたエントリーのページです。

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